ジャンル:動画ダウンローダー
ライセンス:GNU GPL v3
作者:Toni Gundogdu氏
URL:http://clive.sourceforge.net/

 cliveは、「YouTube」に公開された動画をダウンロードするための、コマンドラインツールである。ファイル形式を指定してダウンロードしたり、複数の動画を指定してまとめてダウンロードしたりすることも可能だ。

 cliveの特徴は、動画共有サイトに公開されている動画を、端末のコマンドラインからダウンロードできることである(写真1)。対応する動画共有サイトは、「YouTube」や「Dailymotion」といった海外のサイトに限定される。

写真1 cliveのWebサイト
写真1 cliveのWebサイト
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 Ubuntu 10.10とFedora 14ではパッケージが提供されているが、バージョンが古い。古いバージョンでは、リリース後に変更された動画共有サイトの仕様に対応していなため、動画をダウンロードできない可能性が高い。必ず最新版を利用してほしい。

 cliveは頻繁にバージョンアップされている。今回は執筆時点で最新版の「2.2.22」を元にして説明するが、万が一うまく動作しなかった場合には最新版を使用してして試みてほしい。

インストールと動作確認

 以下ではUbuntu 10.10デスクトップ版の環境を想定して説明する。まずはUbuntuを最新の状態に更新する。

$ sudo apt-get update 
$ sudo apt-get upgrade 
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 Ubuntuが提供するcliveパッケージをインストール済みの場合、必ずアンインストールしておく。

$ sudo apt-get remove clive 

 cliveの動作にはPerlのバージョン「5.8」以上を必要とする。マシンのPerlのバージョンを確認しておく。

$ perl -v 

 Ubuntu 10.10が最新の状態であればPerlのバージョンは「5.10」以上になっている。もしバージョンが「5.8」以下の時は、もう一度update

コマンドとupgradeコマンドを実行する。

 次に、Perlの各種モジュールをインストールする(表1)。

表1 cliveの動作に必要なPerlモジュール
表1 cliveの動作に必要なPerlモジュール
* 1 Fedora 14 の場合、ここに挙げた拡張モジュールのほか「perl-ExtUtils-MakeMaker」を、合わせてインストールする
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$ sudo apt-get install libgetopt-argvfile-perl libclass-singleton-perl libhtml-tokeparser-simple-perl liburi-perl libdigest-sha-perl libwww-curl-perl libconfig-tiny-perl libversion-perl libberkeleydb-perl libterm-readkey-perl 

 clive公式サイトなどからcliveのソースファイルを入手、適当なディレクトリ(ここでは「/home-/node-01」とした)にコピーして解凍し、解凍後に生成されたディレクトリに移動する。ここでは日経Linux 2011年4月号の付録DVDからコピーする場合の操作を示す。

$ cd /home/node-01 
$ cp /media/LIN201104/article/freesoft/clive/clive-2.2.22.tar.gz . 
$ tar zxvf clive-2.2.22.tar.gz 
$ cd clive-2.2.22 

 動作に必要なPerlのモジュールが導入されているかをチェックする。

$ perl Makefile.PL 

 チェックが正常に終了すると、コンパイルに必要なファイル「Makefile」が生成される。lsコマンドで確認しておこう。

$ ls 

 モジュールが不足する時は「Warning」が表示される。表1を参考にして不足しているモジュールをインストールしよう。インストール後はもう一度、先ほどのperlコマンドを実行する。

 モジュールのチェックが正常に終了したら、コンパイルとインストールを実行する。

$ make 
$ sudo make install 

 以上でインストールは完了だ。動作確認をしておく。

$ clive -v 

 バージョン情報が表示されれば、正常に動作している。コマンドが見つからないといったエラーが表示された場合は、端末を再起動してもう一度バージョン表示のコマンドを実行してみてほしい。