各携帯電話事業者の夏商戦向け製品発表会では、フィーチャーフォンからスマートフォンへの急速なシフトが改めて鮮明になった。
市場をけん引するのはコンシューマーだ。ただ法人市場も、ぐんと勢いを増している。中には数千台もの規模で活用する事例さえ見られるようになってきた。
数千台超のユーザーが登場
今までのところ、スマートフォンは導入効果が未知数で、ユーザー企業でも評価を目的とした導入が多かった。従来のフィーチャーフォンに比べてセキュリティ面に不安があることも影響している。
ところが、最近の企業向けスマートフォン管理ソリューションの充実によって、セキュリティを確保しやすくなり、状況が変わってきている。それを象徴しているのが、ファイザー、サントリーなど大規模な活用事例の登場である。
安心して使えるとなれば、スマートフォンがもたらす効果は大きい。スマートフォンは"携帯電話"ではなく、全く新しいカテゴリーのデバイスである(図1)。手のひらでインターネットをフル体験でき、オープンなアプリケーション開発環境の下で、世界規模の自由な競争が進展している。
携帯電話事業者の主導の下で、限られたインターネット体験にとどまるフィーチャーフォンと、スマートフォンを比べると、その違いは、メインフレームとオープンシステムの違いに近い。
オープンシステムなら、ベンダーや事業者の縛りから逃れて機器やアプリケーションを自由に選べる。アイデア次第で使い方は広がる。導入・運用コストも抑えやすい。導入規模が大きくなり、活用するユーザーが増えるほど、効果は大きくなる。少々大げさだが、企業に地殻変動をもたらすものと言えるかもしれない。