「ドコモのスマートフォンにこの11月から大きな進化が始まる」――。NTTドコモの山田隆持代表取締役社長は2011年10月18日、2011-2012冬春モデルの発表会でこう宣言し、スマートフォン向けの新たなサービスとなる「dメニュー」「dマーケット」を発表した(写真1)。山田社長は、「スマートフォンの世界に、新たなコンテンツ、サービスを提供しようというドコモの新しいチャレンジ。これによりスマートフォンの可能性がさらに大きく広がっていくと考えている」と説明する。

写真1●新サービスを発表するNTTドコモの山田隆持社長
写真1●新サービスを発表するNTTドコモの山田隆持社長
[画像のクリックで拡大表示]

 携帯電話事業者の端末販売の主役が従来型携帯電話(フィーチャーフォン)からスマートフォンへと移行するなか、これまで携帯電話事業者が展開してきたサービスも変わりつつある。NTTドコモも例外ではない。同社が10月18日に発表した冬春モデル全24機種中、スマートフォンは14機種を占める(関連記事1関連記事2)。

 スマートフォンは“オープン”という言葉で語られるように、インターネット上に展開されている多くのサービスを利用できる。一方で通信事業者は、豊富なサービスを当初から利用できるスマートフォンが主流になると、単に通信経路を提供するだけの“土管”になりかねない。こうしたタイミングでNTTドコモが発表したのが「dメニュー」「dマーケット」である。

 NTTドコモはiモードによって、フィーチャーフォンの世界ではサービスのプラットフォームを提供する事業者として強力な存在だった。スマートフォンへの移行が進んでいるとはいえ、今でもNTTドコモは約4600万人のiモード契約者を抱えている(契約数全体では9月末で約5900万)。こうしたユーザーのスマートフォンへの移行にも、今回の新サービスは影響を与えそうだ。さらに、この4600万という数字は、au(KDDIおよび沖縄セルラー)の契約数やソフトバンクモバイルの契約数よりも多い。それだけに同じ携帯電話事業者ではあっても、サービス提供に関する考え方は変わってくるだろう。

 そこでこの特集では、全4回にわたり、NTTドコモのサービスのこれからやその背景を、実際にサービスにかかわるキーマンへの取材を通して明らかにしていく。第1回は、10月18日に発表された新サービスである「dメニュー」「dマーケット」について解説する。