日本に上陸して15年になる「スターバックス コーヒー ジャパン」。彼らの人気は、「サービスがよくておいしいのだから当たり前!」と思ってしまいがちだが、それなりの秘策もあるはず。しかし、いざFacebookページにアクセスするとどうだろう。無礼を承知で書くと、ぱっと見た限り特に仕掛けめいたものは見当たらない。彼らがFacebook上で30万を超える「いいね!」を集める理由はどこにあるのだろう? おいしさにプラスする、ソーシャルなフレーバーの素とは? マーケティング本部の長見明氏に話を聞いた。

SB スターバックス コーヒー ジャパン
ランキング 第9位(2011年10月25日時点)
「いいね!」獲得数 32万9775(前日より+1221)
カテゴリー 飲食・料理

 「今、人々が見ているメディアは、テレビの次にインターネット。広告代理店の統計によると、20代の男女ともなると、テレビよりもネットのほうが強いかもしれない。ネットは情報で溢れていますから、サイトをしっかり作るとともに、高いターゲットリーチを期待できるソーシャルを活用するのは当然の成り行きでした」。スターバックス コーヒー ジャパン マーケティング本部 WEB/CRMグループ グループマネジャーの長見明氏は語る。

お客が存在しているソーシャルの利用は“必然”

“消費者は今、ソーシャルメディアにいる”。スターバックス コーヒー ジャパンのFacebook進出は、お客様にしっかりと思いを届けたいというシンプルな発想で進められたという。始まりは、「やってみなきゃ分からない」見切り発車に近いスタート。しかし、導入は必然であったと長見氏は語る。

写真1●スターバックス コーヒー ジャパン マーケティング本部 広報チーム坂佳果氏、WEB/CRMグループ長見明氏、FIXER松岡清一(左から)
写真1●スターバックス コーヒー ジャパン マーケティング本部 広報チーム坂佳果氏、WEB/CRMグループ長見明氏、FIXER松岡清一(左から)
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 始める前に"戦略"とか言っていても、しょせん絵空事ですし、“やってみないと分からない!”と思って始めてしまったので、正直ここまでたくさんの方にご支持いただけるとは思っていませんでした。Facebook上でのファン獲得に関しては、Facebookの入会画面にブランドのロゴを掲載いただくなど、Facebook Japanのサポートもあったこともありましたが、数字的にはラッキーの世界。Twitterは堅実に、実力のまま伸びているんだろうなと思います。

 メディア戦略のひとつとして、今はどの企業もソーシャルネットワークサービス(SNS)を導入するかしないかの選択を迫られていると思いますが、私たちは行く決断をしました。接客業ですから、そこにお客さんがいて語りかけない、接しないというスタンスはありえないと思いました。毎日お店にお客さんをお迎えしているのに、ネット上ではお店と違うスタンスを取るということは、会社としてあるべき姿ではないと考えたからです。