位置情報は、SNSや“位置ゲー”だけでなく、農業や土木、気象予報に災害防止、さらには通勤などで利用する鉄道の安全運転にも貢献している。ここからは、人々の生活に浸透しつつある位置情報の最新事例を見ていこう。

 位置情報の利用が進む分野に焦点を当てて、最新の事例と今後の展望をまとめた。目的別にそれらの事例をまとめると、「動かす」「作る」「予測する」「守る」「運ぶ」という五つのキーワードが浮かび上がってくる。

 位置情報は人を動かす力を持つ。例えば,位置情報を利用したゲーム「コロニーな生活☆PLUS」(コロプラ)では,ゲームの進行に合わせてユーザーが積極的に移動を始める(図1)。それは,移動距離に応じて仮想通貨がもらえるからだ。仮想通貨はゲーム内のコロニー(集落)を育てるために利用する。コロニーの人口が増えれば,定期的にもらえる仮想通貨が増えたり,より価値のあるアイテムが入手できる仕組みになっている。

図1 移動距離を利用する
図1 移動距離を利用する
位置情報ゲーム「コロニーな生活☆PLUS」は,移動距離に応じて仮想通貨「プラ」を発行し,コロニーを育てるゲームである。提携店舗に足を運んで商品を購入すると,カード「コロカ」を入手できる。
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 コロプラでは,より積極的に人を動かすために,定期的にコロニーに“隕石”が落ちてくるようになっている。隕石がコロニーに落ちると,せっかく育てた街が破壊されてしまう。それを防ぐためには,実際に1km以上もユーザーが移動する必要があるのだ。