写真4●上海世紀互聯信息系統の陳志炯副総経理
写真4●上海世紀互聯信息系統の陳志炯副総経理

 法人向けプロバイダーである上海世紀互聯信息系統は、NTTデータイントラマートのWebシステム基盤ソフト「intra-mart」を導入し、同基盤上でグループウエアやワークフロー管理といったシステムを稼働させている。この8月から本格利用を始めた。投資額は20万元(約240万円)だ。

 世紀互聯はこれらのシステムを、業務用文書やサーバー設備の管理、社員の業務管理、稟議書の管理などに利用している。

 これらの業務は従来、紙に記入し手作業で管理していた。しかし顧客が増えて業務量も増えるなか、「このままでは仕事が回らなくなる」(陳志炯副総経理)との危機感を抱いていた(写真4)。 

表5●上海世紀互聯信息系統が分析した、Webシステム基盤ソフトの強みと弱み
表5●上海世紀互聯信息系統が分析した、Webシステム基盤ソフトの強みと弱み
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 世紀互聯がグループウエアとワークフロー管理ソフトの導入を検討し始めたのは2011年1月だ。飛び込み営業で知ったintra-martと、米大手ITベンダーのソフトを比べた(表5)。後者は中国のERPベンダーが代理店となり提案してきた。自社の中国製ERPソフトと連携させる提案だった。

 陳副総経理は、「どこの国のソフトかは全く気にせず、使いやすさやコストなどを比較してintra-martに決めた」と振り返る。機能追加の容易さや導入期間の短さを、特に評価した。米ITベンダーの製品は、世界的に導入実績は多かったが「柔軟性に欠けていた」(周宇技術総監)。

 同社は事業を急拡大しているため、ワークフローを変更する機会が多い。米ITベンダーのソフトでは、業務の変化にシステムを対応させることが難しかった。

 intra-martはソフト部品を組み合わせ短期間で機能の追加や変更ができる。システム構築も「競合製品では導入に3カ月間はかかるとみられたが、intra-martでは約1カ月でできる点が魅力的だった」(周技術総監)。

上海世紀互聯信息系統
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 1996年の設立の法人向けの大手プロバイダー。インターネット接続サービスやホスティング、ハウジング事業などを手がける。クラウドコンピューティングのプラットフォームをサービス事業者やユーザー企業に貸し出す事業も始めた。法人ユーザー数は2011年8月時点で約500社。2010年12月期の売上高は約4000万元(約4億8000万円)で、3年後には1億元(約12億円)まで引き上げる目標を持つ。社員数は約70人。