本書は、単細胞生物を一種のコンピュータだと定義する。細胞はメモリー(記憶)を持っており、直前の情報と新しく入ってきた情報とを照らし合わせて、特定の行動をとるようプログラムされている。トランジスタに相当するのは「酵素」で、例えば大腸菌は微分計算が得意だという。生物学とコンピュータ科学との融合を実感できる一冊だ。

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デニス・ブレイ著
熊谷 玲美/田沢 恭子/寺町 朋子訳
早川書房発行、2415円(税込)