アプリ開発者であれば少なからず頭をよぎるのがアプリによる“収益”。無料アプリを開発するサンデープログラマーであっても、一攫千金の夢がまったくないわけではないはずだ。Android Developer Loungeでも、「アプリをビジネスにする力」というタイトルのトピックで、収益についての話題が盛り上がりをみせている。
「アイデアと開発力があっても「なかなか儲からない」-- アプリ開発者が抱く不安と課題とは」
http://japan.internet.com/allnet/20110908/1.html
開発者の方はご一読下さい。個人的に、「スマートフォンアプリ開発企業向けのビジネスマッチングサイト」があることに軽く衝撃を受けました。アプリが売れてないのに、コンサル的にお金を稼ぐところが出てきてるんですね。
(中略)
何だかAndroidアプリ“周辺”ばかりが盛り上がっているような、ゆがんだ状況。。。
「Androidアプリはなかなか儲からない」というニュースに端を発したこのトピックには、価格設定の基準や消費者心理、広告についてのあり方などの幅広い意見が寄せられた。
0円や85円で、かなりのクオリティの作品が楽しめるのです。
そうすると、ユーザーの基準はどんどんそれに合わせて変わってゆきます。
超大作RPGで1800円くらいだったとしてもブーブー文句を言うようになるわけです。(他のハードで買ったとしたら4000円以上すると思われる内容でも)
良い作品だと分かっていても、値段が多少高いだけで買わない確率が高くなると思います。
(中略)
すこしハードルが高すぎる気がしますが、超安値でアプリをばらまいたツケかな、とも思います。
とにかく高品質なアプリを作って「お金を出してもいい」という気にさせるか、周辺のモノやサービスで回収する格好にするか、どちらかしかないのかも……。
余計な心配をせずともAndroidが盛り下がることはないでしょうが、安すぎるアプリ市場と、shotloungeさんが挙げられたゆがんだ構図はちょっと懸念すべき状況かと感じました。
「広告が主な収入源」
というのは、それはそれで大いに「有り」なんじゃないかと思います。テレビも雑誌も広告で成り立っているようなものですし、今後大きなメディアとなりうるAndroidの世界が同じような流れになったとしても不思議はありませんよね。
(中略)
"広告の表示形態が原因で"アプリをアンインストールしたことも、一度や二度では無かったりします。
クリックして貰わねば収益にはつながらぬ、しかし、しつこくしすぎてアンインストールされたら元も子も無い……
バランス感覚が大切ですね。
上記のような価格や広告に対する意見が出るなか、話題はB2Bやいま注目されているアプリ内課金といった方向に移る。新たな収益モデルを模索する開発者、さらには企業の本音が垣間見えた。
個人開発者が稼ぎたい場合は、スマートフォン向けアプリ開発の受託ビジネスをする方が確実だそうです。自社サービスのスマートフォン対応のため開発を外注、といったニーズは今は豊富にあるそうです。ただし、こうしたB2B的な開発案件は、いずれ単価が下がっていくんじゃないかと想像します。
それでも、アプリでヒットを飛ばす人は、ある割合で存在する訳です。一部の才能が売れて、大多数は売れないという、出版やゲームのような世界だと思います。
(中略)
通常のアプリ開発分野についても、そうしたプラットフォームが出てくるといいなと思います。
Dropwaveの本城氏が
「ネットワークゲーム時代に求められる、ゲームプランナーの基礎知識」
という講演をなさったのですが、その内容がすさまじいです。ゲームにおける課金のタイミングを演出する話なんですが、一読して損はないと思います。
主にオンラインゲームについて語っておられるのですが、Androidアプリにも当てはまる点がたくさんあると思います。
オンラインゲームを「オカンでも説明無しで楽しめる」ように作るためにすべきこと - GIGAZINE
「課金と非課金の差を見えにくにようにする」のあたりなど、読んでいてちょっと恐くなります。
そのほか、プラットフォームによる課金傾向の違いを指摘する開発者もいた。アプリの完成度だけでは計れないユーザーの傾向も、収益を考える上では重要な要因といえそうだ。
ここまで違う! iOSユーザーとAndroidユーザーの傾向
質問項目が「スマートフォンの有料版ゲームの購入またはゲームの課金経験」ということで、ゲームによるマネタイズを考えている人向けの性格が強い調査かもしれません。データを見る上では、その点は念頭に入れる必要がありそうですが、面白い結果でした。
大手企業もAndroidアプリ開発に参入してきた現在においては、アプリの純粋な売り上げや広告収入だけで収益を上げるのは難しいのかもしれない。ユーザーのニーズに応えるだけでなく、市場のマーケティングや収益モデルも検討する必要があるといえそうだ。
しかし投稿内でまさぽんさんが指摘するように、「アプリ開発者は『儲かるために作る』のではなく、『面白いものを作る』をまず考える」ことも重要。開発者にとっての大切な言葉として意識したい。
出典:トピック「アプリをビジネスにする力」 - Androidウォール