2011年10月1日、「Xi(Android)タブレットお披露目会 for Developer」と題したイベントが開催された。Androidアプリの開発者の集まり「Androidデベロッパー倶楽部(略称「デ部」)」メンバーによる発表や、Androidと実世界を結ぶADK(Open Accessory Developmnet Kit)に関する講演などが行われた。並行して、NTTドコモのAndroidタブレット、スマートフォン、従来型携帯電話の新機種を開発者が試せる場を提供した。以下、「デ部」発表ととADKに関する講演を中心に紹介する。

 NTTドコモは2011年9月8日、LTEサービス「Xi(クロッシィ)」に対応したタブレット端末2機種「Galaxy Tab 10.1 LTE」と「ARROWS Tab LTE」を発表しているが、今回のイベントではこれらのXi対応タブレット端末やAndroidスマートフォン、従来型携帯電話の最新モデルを揃え、Androidアプリやiアプリの開発者達が自由に試せるようにした。会場では、ステージでの講演と、開発者達によるタッチ&トライ、それに出展した3Dエンジンを開発するエイチアイ、サービスロボットやADKボード(詳細は後述)などを販売するアールティの展示が並行して行われる場となった。

写真1●イベントの模様
開発者向け発表、プレゼンテーションなどを行うステージと、端末のタッチ&トライを行うスペースを設けた
[画像のクリックで拡大表示]

「デ部」ではAndroid開発に必要な知識を共有

 今回のイベント内で、「デ部」がほぼ毎月開催しているミーティングの公開出張版「オープンデ部」が開催された。「デ部」は日本Androidの会のメーリングリストでの投稿から始まった集まりだが、現在は同会とは独立して活動している。

 「デ部」の参加資格は「Android Marketでひとつ以上のアプリを公開していること」、あるいはデバイス周りのノウハウがありAndroidアプリとの連携に貢献できること、AndroidアプリのUIデザインに貢献できること、となっている。開発者向けの専門性が高い話題を交換できる場として運営されている。以下、講演順に内容を紹介していく。

Timescape拡張の開発方法などを解説

 「ソニー・エリクソン拡張APIの使い方」(ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズの庄司久人氏)では、「Xperia」「Xperia arc」「Xperia ray」などに搭載されているソーシャルサービス用クライアント「Timescape」などのアプリの拡張機能を開発するためのAPIの使い方を解説した。

 Timescapeの拡張機能はAndroidマーケットに40種類以上が登録されており、ほとんどがソニー・エリクソンとは独立に開発されている。Timescapeが標準でサポートしていないソーシャルサービスであっても、拡張機能を作ることで、Timescapeに情報を取り込むことが可能となる。

 この拡張機能を開発するための開発ツールとして、統合開発ツールEclipseに組み入れて使える「Extension Development Kit(EDK)」を提供している。同社のWebサイトにはマニュアルやサンプルコードが掲載されている。世代が新しいXperiaシリーズでは、利用できるAPIの種類が増えていることも説明した。

写真2●Xperiaシリーズの拡張API
世代が新しい機種では利用できるAPIが増えている。Timescape APIは全機種対応
[画像のクリックで拡大表示]