携帯ゲーム機の普及やフィーチャーフォン向けゲームの発達などにより、消費者とゲームの付き合い方は大きく変化してきた。現在急速に普及が進むスマートフォンが、ゲーム業界に与えるインパクトはそれ以上に大きいものがあり、多くの企業の注目ポイントとなっている。

 スマートフォン向けゲーム業界のビジネスモデルは薄利多売が基本。さらに、無料ゲームが多いなか、企業はどのように消費者からお金をもらえるだけのコンテンツを提供できるのだろうか。今回はスマートフォンユーザーに対して、スマートフォンでプレイするゲームだけでなく、家庭用ゲーム機器の利用や意識、課金についてを明らかにすることで、企業がゲーム業界で利益を得るためのヒントを得たい。

 なお調査概要は第1回と同様である()。

調査概要スマートフォンユーザーのゲーム・SNS利用に関する調査
主催モバイルマーケティング・ジャパン、ネットマイル
対象ユーザー「スマホリサーチ」パネル(共通ポイントプログラム「ネットマイル」会員約 450万名の中から抽出したスマートフォンユーザー)
調査期間2011年9月9日~12日
方式インターネット調査(回答はすべてスマートフォンから得たもの)
有効回答数892

スマホゲーマーは「旧来タイプ:ライトタイプ=1:1」

 スマートフォンユーザーはどのように「ゲーム」と付き合っているのだろうか。ゲームのデバイスをスマートフォンに限定せず、以下で見ていこう。スマートフォンユーザーに「スマートフォン」と「家庭用ゲーム機(携帯タイプを含む)」でゲームをしているか聞いたところ、79.9%がいずれかでゲームをしているという結果となった(図1)。

図1●スマートフォン/家庭用ゲーム機(含む携帯タイプ)でのゲームプレイ状況
図1●スマートフォン/家庭用ゲーム機(含む携帯タイプ)でのゲームプレイ状況
N=892

 図1のゲームをしている人の内訳をみると、「スマートフォンでも、家庭用ゲーム機でもゲームをする人」「スマートフォンのみでゲームをする人」の割合は35%以上と高いが、「家庭用ゲーム機器のみでゲームをする人」は7.1%にとどまる。この結果を見ると家庭用ゲーム機でゲームをする人は、スマートフォンでもゲームをする傾向にあることが分かる。

 逆にスマートフォンでゲームをする人は、必ずしも家庭用ゲーム機によるゲームに関心があるわけではないこともこの結果から分かる。スマホ、家庭用ゲーム機ともに使っている人の多くは旧来からの家庭用ゲーム機のユーザーだと想定されるが、スマートフォンだけでゲームをするユーザーは、スマートフォンに移行する前のフィーチャーフォン使用時にライトゲームをしてきたユーザーが多いと考えられる。スマートフォンでのゲーム経験があるユーザーは、「旧来型ゲーマー」と「スマホだけゲーマー」の割合は、ほぼ1:1と言える。

 次にゲームのプレイ時間を聞いたのが図2だ。スマートフォンでゲームをするユーザーにスマートフォンと家庭用ゲーム機のどちらのプレイ時間が長いか聞いたところ、「どちらも同じくらい」「スマートフォンを購入して初めてゲームをプレイした」との回答を考慮すると、スマートフォンでのゲーム利用時間が意外に長いことが分かる。1回のゲームプレイ時間としては、家庭用ゲーム機向けが長い傾向にあるが、この結果を見ると「スマートフォン」でのゲームが回転率が高いうえにトータルの滞在時間(プレイ時間)も長いことになる。

図2●スマートフォン/家庭用ゲーム機でのゲームプレイ時間
図2●スマートフォン/家庭用ゲーム機でのゲームプレイ時間
N=333