連載『プロマネに贈る「泰蔵の一日一句」』では、プロジェクトマネジメントのエッセンスを句に込めて紹介している。今回はチームワークやプロジェクト運営に関連した句と連載著者による解説を紹介しよう。

■チームワークのいずるところ
 初代の南極越冬隊長である西堀栄三郎氏は、著書『日本人の創造性』のなかで「創造性ある組織を構成するためには、チーム全員が、人にではなく共同の目的に忠誠を誓うこと、共同の目的を果たすために必要性を感じた人はだれでもいつでも自分の責任分界を超えて自由にやれること、そして“みんなで”という一体感を持つことが重要である」と言っている。

 自分への忠誠を部下に求め、自分の言うとおりにしない部下を、口には出さなくても次第に排除したり、評価を下げたりする管理者が散見されるのは極めて残念なことである。

■厳しいだけの外注管理にサヨナラ
 外注管理が大事だとはいえ、その中身はしっかりした意味のある管理でなければならない。細かく管理して余計な報告を強要したり、顧客から仕様の追加要求があるとそのまま外注先に放り投げ、予算も一切追加しない、といった馬鹿管理をやっていると、外注先もついには逃げ出してしまうであろう。

 発注条件が厳しくても、そこには論理的な正当性がなければならない。顧客も外注先も、ともに大事だ。外注先を、長く付き合っていける“パートナー”に育てていくことが、外注管理の要といえる。

プロマネに贈る「泰蔵の一日一句」---チームワーク編

能力引き出しこそリーダーの責務(239~245日)
能力引き出しこそリーダーの責務(246~252日)

育成も考えて適材適所の配置を(253~259日)
育成も考えて適材適所の配置を(260~266日)

強いチームワークこそ基本(267~273日)
強いチームワークこそ基本(274~280日)

報告者の努力、聞く側の責任(281~287日)
報告者の努力、聞く側の責任(288~294日)

外注先を「パートナー」と呼べるか(295~301日)
外注先を「パートナー」と呼べるか(302~308日)