震災や計画停電を契機に、パソコンやサーバーと、それらがつながるネットワークをいかに使い続けるかを考え始めたユーザーは少なくないはず。本書は、停電や震災に備えるパソコンの設定方法や管理方法を解説している。パソコン単体でできる作業はもちろん、ネットワークの確保、UPS(無停電電源装置)の選び方と使い方、クラウドサービスの活用法、パソコンの遠隔操作の仕方、モバイル端末の利用法などにも触れている。

 このように説明している対策は多岐にわたり、なかには「なぜこの話が出てくるのか」と考え込んでしまったものもあった。そこで思い出したのが、著者が冒頭に記している「停電や震災時に守るべきはデータである」という説明。ここを押さえておけば、自分の環境ではどの対策が必要かを見失わずに読み進められるだろう。

 内容は概論にとどまらない。具体的な装置名やソフトウエア名を挙げており、ソフトウエアについてはポイントとなる画面の写真を使いながら説明を進めている。

停電・震災に備えるPC管理術

停電・震災に備えるPC管理術
橋本 和則著
技術評論社発行
2079円(税込)