スマートフォンアプリの開発から離れて、Windows上の業務アプリケーションを簡単に開発できる「Visual Studio LightSwitch(以下、LightSwitch)」というツールを利用してみましょう。Visual Studioという冠が付いているので、「ゴリゴリとコードを書いて開発していくツール」と思いがちですが、このLightSwitchの位置付けは、“ExcelやAccessといった開発用としては比較的簡易なツール”と“Visual Studioのような本格的な統合開発環境”の中間と言えます。つまり、ExcelやAccessでは機能的に物足りないものの、Visual Studioを使って開発するまでの規模ではないような業務アプリケーションを開発するためのツールです。

 これから説明するようにLightSwitch単体でアプリケーションを開発できますが、Visual Studioとの連携機能も用意されているので、アプリケーションの土台をLightSwitchで作成し、さらなる機能はVisual Studioを使って開発する、といったことも可能です。またLightSwitchには、業務アプリケーションでの利用を想定した各種テンプレートが用意されており、入力や参照、検索、Excelへのデータエクスポートといった機能を備えるアプリケーションをGUI(Graphical User Interface)操作のみで開発できます。コードを1行も書かずに実装できるのです。

 LightSwitchでは、作成したアプリケーションのプログラム(ソースコード)も変更できるので、.NETプログラミングの知識があれば、コードを編集してカスタマイズすることも可能です。また、Visual Studioを使えば、LightSwitch用のテンプレートやコンポーネントを開発できるため、LightSwitchの利用が広まるにつれてそのテンプレートなども増えていくことが見込まれます。

 ここではいち早くLightSwitchについて学習し、データを格納したり格納されたデータから目的のデータを検索したりする業務アプリケーションを手軽に作成してみましょう。

LightSwitchをインストールして起動する

図1●Visual Studio LightSwitchのWebサイトの画面
図1●Visual Studio LightSwitchのWebサイトの画面
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図2●インストールされたテンプレートから「LightSwitch」を選択しよう
図2●インストールされたテンプレートから「LightSwitch」を選択しよう
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 早速、LightSwitchをインストールして業務アプリのひな型を作成してみましょう。LightSwitchのWebサイトにアクセスし、「LIGHTSWITCH BETA 2をダウンロード」をクリックします(図1)。すると、「vs_svlsweb.exe(3.31Mバイト)」というファイルがダウンロードできるので、実行してインストールを進めます*1

 インストールが完了したら、早速起動してみましょう。Visual Studioがインストールされているパソコン環境ならば、Visual Studioと同じ起動画面で立ち上がります。起動したらメニューから「ファイル」→「新規作成」→「プロジェクト」を選択します。左側の「インストールされたテンプレート」から「LightSwitch」を選択すると、真ん中の欄にてVisual BasicとC#のプロジェクトが選択できます。ここでは、「LightSwitch アプリケーション (Visual C#)」を選択して開発してみましょう。

 下の名前の欄には、プロジェクト名などを入力します。名前(今回の例では「NSWTest」)を入力して、「OK」ボタンを押します(図2)。