by Gartner
ジャッキー・フェン VP兼ガートナーフェロー
亦賀 忠明 リサーチVP兼最上級アナリスト

 ガートナーが毎年発表する「先進テクノロジーのハイプ・サイクル」は、1900種類の先進テクノロジーを分析し、ユーザーによる心理的な期待(ハイプ)の度合いによって、技術の成熟度やビジネス上の利点、今後の方向性などを探ったものだ()。

 現在、アクティビティーストリーム、ワイヤレス送電、インターネットテレビ、NFCペイメント、プライベート・クラウド・コンピューティングが、「過度な期待」のピーク期にある。また新しく登場した技術でありながら、強いインパクトを業界に与えているものとして、ビッグデータと自然言語応答が挙げられる。

図●先進テクノロジーのハイプ・サイクル(2011年度版)
図●先進テクノロジーのハイプ・サイクル(2011年度版)
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 今年のポイントは、ソーシャルメディアに対する興味の高まりとクラウドコンピューティング、モバイルに関する行動の活発化だ。ソーシャルメディアを活用した顧客分析(ソーシャルアナリティクス)や、ユーザーの行動履歴(アクティビティーストリーム)、グループバイイングへの期待は今がピークだ。Web 2.0企業の企業価値は、今しばらく高止まりを続けるだろう。クラウドは「幻滅期」に入ったが、プライベートクラウドへの関心はまだ高い。

 モバイルに対する興味も旺盛で、メディアタブレットやNFCペイメントに注目が集まると共に、QR/カラーコード、モバイル・アプリケーション・ストア、位置認識アプリケーションの普及が進んでいる。