Windows Azure Platformが提供するクラウドデータベースの「SQL Azure」。前回は、サブスクリプションにSQL Azureのサーバー構築とデータベース作成を行い、管理ポータルから「Database Manager」を起動して、GUIによるテーブルの作成、データ入力、表示などの操作をしてみた。

 今回は「SQL Server Management Studio Express」を使い、クライアントPCからSQL Azureを操作してみる。また、連載の第3回でWindows AzureにWebアプリケーションをデプロイしてたが、このアプリケーションからSQL Azureのデータが表示できることも確認してみよう。

クライアントPCからSQL Azureを操作する

 前回紹介した「Database Manager」は、管理ポータルから起動するSilverlightアプリケーションだった。そのため、SilverlightをサポートするWebブラウザが利用できれば、簡単にSQL Azureのデータを操作することができる。だが、オンプレミス環境ですでに「SQL Server 2008 R2」を利用しているユーザーなら、使い慣れた「SQL Server Management Studio(SSMS)」でSQL Azureのデータベースを操作したいと考えるだろう。

 SSMSからSQL Azureを利用することは基本的に可能だが、いくつか条件がある。1つは、接続ポートだ。Management StudioとSQL Azureの接続には、SQL Serverと同じように「1433」番のポートを利用する。このポートを使ったSQL Azureへのアクセスが企業のネットワークポリシーに違反しないか確認する必要がある。場合によっては、ファイアウォールなどで通信自体ができないようになっている可能性もある。

 そしてもう1つの制限が、現在のSSMSからはGUIを使ったデータの操作ができない点だ。そのため、SSMSからはTransact-SQL(以降T-SQL)によるコマンド操作のみとなる。

SSMSからSQL Azureに接続する

 それでは、SSMSからSQL Azureへ接続してみよう。今回は「SQL Server 2008 R2」のライセンスがない場合も考慮して、無償で利用できる「SQL Server 2008 R2 Management Studio Express(以降SSMSE)」で接続してみる。

 SSMSEのインストールは、連載の第2回で紹介した「Web Platform Installer 3.0(WebPI)」を使うと簡単だ。WebPIを起動して「SQL Server 2008 R2」で検索し、見つかった[SQL Server 2008 R2 Management Studio Express]の[追加]ボタンをクリックして[インストール]ボタンをクリックする。

 SSMSEのインストールが完了したら、さっそく起動してみよう。最初に接続ダイアログが表示されるので、サーバー名に「サーバー名.database.windows.net」と入力する(図1)。

図1●SQL Server Management Studio(SSMS)からSQL Azureへ接続する<br>「サーバーへの接続」ダイアログで、サーバー名に「<i>サーバー名</i>.database.windows.net」と入力し、「SQL Server 認証」に変更して、SQL Azureの「ログインID」と「パスワード」を入力し[接続]ボタンをクリックする。ただしファイアウォールの設定ができていないと接続エラーになる。
図1●SQL Server Management Studio(SSMS)からSQL Azureへ接続する
「サーバーへの接続」ダイアログで、サーバー名に「サーバー名.database.windows.net」と入力し、「SQL Server 認証」に変更して、SQL Azureの「ログインID」と「パスワード」を入力し[接続]ボタンをクリックする。ただしファイアウォールの設定ができていないと接続エラーになる。
[画像のクリックで拡大表示]

 この画面では、作成したSQL Azureのサーバー名が「hleudvctoe」だったので「hleudvctoe.database.windows.net」としている。次の「認証」は「SQL Server 認証」に変更し、SQL Azureの「ログインID」と「パスワード」を入力する。最後に[接続]ボタンをクリックすれば通常は接続するのだだが、SQL Azureのファイアウォール設定が済んでいないと接続エラーになるはずだ。