スマートフォン第3勢力ともいわれるWindows Phoneが、いよいよ日本でも登場した。KDDI(au)のIS12Tである。7月末に開催された発表会の時点では、発売は9月以降とされていたにも関わらず、実際には8月25日に前倒ししての発売となった(関連記事)。コード名“Mango”と呼ばれたWindows Phone 7.5を搭載した端末として、世界初の発売となったのである。

 今回は、IS12Tの実機を用いて、Windows Phone 7.5の見どころを紹介していきたい。また、ライブタイルやパノラマビューなど、Windows Phoneで搭載するMetroユーザーインターフェースについては「いよいよ登場するWindows Phone」の記事を併せて参照されたい。

ブランド名とOS本体のバージョン番号を整理しよう

 日本マイクロソフトの公式サイトでは、「Windows Phone」というブランド名を用いている。かつて同社は、Windows Mobile 6.5を搭載した電話機にも同じブランドを用いたことがあったが、現在は「Windows Phone 7.5」プラットフォームのブランド名として使われているようだ。これに伴い、過去の端末については「Windows Mobile 6.x」という扱いになっている。

 この名前の流れから想像できるように、Windows Phone 7.5の前には、Windows Phone 7というスマートフォン向けOSが存在した。このWindows Phone 7は日本国内で端末が発売されず、馴染みの薄い人が多いと思われる。このため、iPhoneやAndroidなど他のプラットフォームから大きく出遅れてしまった。発売日を前倒ししてでもIS12Tを世界で最初に投入した背景には、その遅れを取り戻したいという関係者の情熱があったのだろう。

 なお、Windows Phone 7.5ではブランドのロゴが一新されている。Windows Phone 7では球状のロゴだったのに対して、Windows Phone 7.5では四角いシルエットに変更され、以前のバージョンと簡単に見分けられるようになっている(図1)。

図1●Windows Phone 7の球状のロゴに対してWindows Phone 7.5では四角いシルエットに変更されている(米Microsoftのサイトと日本マイクロソフトのサイトより引用)
図1●Windows Phone 7の球状のロゴに対してWindows Phone 7.5では四角いシルエットに変更されている(米Microsoftのサイトと日本マイクロソフトのサイトより引用)
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 ここで、Windows Phone OSのバージョン番号について整理しておく。製品名としては「Windows Phone 7.5」だが、ソフトウエアの実体としてのバージョンは7.1である。このことは、IS12Tの設定にある「情報」画面に表示されているバージョンが「7.10.7720」となっていることでも確認できる。これは、デスクトップ向けの「Windows 7」が、実際のソフトウエアのバージョンとして6.1であるのと似た状態である。内部的なバージョンをエンドユーザーが意識する必要はないが、混乱を防ぐために理解しておきたい点だ。