
スマートフォンやタブレット端末の流行は、企業にとって業態の多様化や新たな商機をもたらすと同時に、大きな悩みの種にもなりつつある。
悩みの一つは、私物の社内への持ち込みも含めた多様な端末の一元管理、いわゆるMDM(モバイルデバイス管理)だ。このニーズに応えるソフトウエアやオンラインサービスが続々と登場。セキュリティポリシーに沿っていない端末の社内ネットワークへの接続遮断、端末の紛失・盗難時のリモートからの操作ロックやデータ消去、利用可能な端末機能の制限、アプリ配布など機能充実にしのぎを削る。
もう一つの悩みは、ウイルス対策や情報漏えい対策。今年に入ってAndroid搭載端末を標的にしたウイルスが後を絶たない。IPA(情報処理推進機構)に届出があったものだけでも8月現在で4種類。アプリをインストールしたり、メールの添付ファイルを開いたりするだけで、ウイルスに感染する危険性がある。スマートフォンは3G網につながるだけに、通話履歴の漏えいや盗聴といったプライバシー侵害だけでなく、高額な料金を請求される危険性もある。そこで春から夏にかけ、セキュリティベンダー各社からAndroid向けウイルス対策ソフトが相次ぎ登場した。
届出時期 | 名称 | 特徴 |
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2011年3月 | AndroidOS/Lotoor[DroidDream] | Webサイトからダウンロードすることにより感染し、Android 端末に保存されている情報を収集、外部に送信するといった機能を有する |
2011年6月 | AndroidOS/Lightdd | 感染すると、Android端末の情報を盗み取り、外部に送信する |
2011年6月 | AndroidOS/Smspacem | 感染すると、Android端末内のアドレス帳の連絡先に、SMSメッセージの送信を試みる |
2011年6月 | AndroidOS/Smstibook | 感染すると、事前に設定された番号に、プレミアムSMSメッセージの送信を試みる |
ただし、これら製品/サービスは、まだ緒についたばかり。スマートフォンブームに合わせた急ごしらえの感が否めない。さらなる開発競争によって、より一層の機能強化が期待される。
セキュリティ管理サービス
マカフィー、各社スマホ/タブレットの盗難対策、バックアップサービス
富士通BSC、Android端末などを遠隔消去できるセキュリティサービス
NTTドコモ、Galaxy SやXperiaを遠隔操作するクラウド
AXSEED、Android端末を一元管理するセキュリティシステム
ベリサイン、スマートフォンやタブレット向けの認証・管理サービス
CA、低価格でOTP認証や不正行為防止機能を提供するSaaS
セキュリティ管理ソフト
Sky、Android端末も集中管理できるクライアント管理ソフト
ウイルス/情報漏えい対策ソフト
G Data、自社ユーザーなら無料のAndroid用ウイルス対策アプリ
エフセキュア、Androidスマホの企業向けセキュリティ管理ソフト
Android/Windows Mobile端末を集中管理するセキュリティソフト
マカフィー、AndroidやBlackBerryなど主要OS対応のセキュリティソフト
シマンテック、Android 3.0にも対応したセキュリティソフト
キングソフト、通話履歴なども保護するAndroid用セキュリティソフト
エフセキュア、Androidスマホを遠隔ロックできるセキュリティソフト