ボランティアによる復興支援コミュニティHack for Japanによる開発イベント(前編はこちら)。後編の今回は、初日に出たアイデアを基に開発されたシステムを紹介する。写真修復を支援するシステムから「赤べこ」型のガイガーカウンターまで、ユニークなシステムの発表が相次いだ。

 岩手県遠野市のボランティアセンター「遠野まごころネット」では翌8月24日、実際にアプリを開発するイベント、ハッカソンが開催された。前日のアイデアソンで出されたアイデアを形にする。もちろん1日では完成するシステムばかりではない。完成しなかった場合はイベント終了後、継続して開発していくことになる。

 朝から夕方まで黙々と詳細設計や開発が行われ、最後に成果発表となった。

写真修復を支援する「photrackjp」

 被災した写真の復元作業のシステム化プロジェクトは「photrackjp」という名称となった。遠野まごころネットでは、前述のように被災地から回収された写真を洗浄し、乾かしてからスキャンし修正する作業を行っている(写真修復作業のパノラマ写真)。

遠野まごころネットの写真修復作業

 しかし写真の数が膨大であり、作業がどこまで進んだか、ファイル名をどうするかなど管理が難しい。そこでオープンソースのタスク管理システムである「trac」を改良し、工程管理が楽に、正確に行えるようにすることを目指す(発表資料)。