今週8月24日(米国時間)、米アップルの最高経営責任者(CEO)であるスティーブ・ジョブズ氏が病気を理由に同職を退任するというニュースが世界中を駆け巡った。
2004年に膵臓がんの手術を受け、過去に度々病気療養のため休養していたことを考えれば、誰もが「そう遠くない将来、その日が訪れるかもしれない」と思ってはいただろう。だが、来月にiPhone新モデルの発表が噂される中、突然、ジョブズ氏が退任を発表するとは、ほとんどの人が予想さえしなかったはずだ。
スティーブ・ジョブズという人がいかなる人物なのかについては、ここで改めて説明する必要はないだろう。アップルのCEOとして、その一挙手一投足にIT業界で働く誰もが注目してきたのはもちろんのこと、iPhoneやiPad、iPodなど今やすっかり多くの人々の日常生活に溶け込んでいる「クールで便利なデバイス」を生み出し、さらにiTunesやApp Storeによる全く新しいビジネスモデルを確立したカリスマCEOとして、一般ユーザーにも人気がある。
MacintoshおよびMac OS Xを販売するパソコンメーカーの創始者として、昔から崇拝している熱狂的な“Apple信者”もたくさんいる。聴講者を魅了する驚異のプレゼン能力や競合ベンダーとの技術論争、各種イベントでの様々な辛口発言などエピソードを挙げだしたらきりがない。実際にITproでも、ニュースや解説記事で数え切れないほどジョブズ氏の話題を取り上げてきた。
そこで、同氏のこれまでの業績に惜しみない拍手を送りつつ、過去のITproのニュース記事を中心にその足跡を振り返ってみよう。
ジョブズCEO辞任と後任のティム・クック氏に関するニュース
CEOを辞任するジョブズ氏の後任として任命されたのは、同社で最高執行責任者(COO)を務めていたティム・クック氏である。同氏は、2009年にジョブズ氏が病気療養のため休職した際にも代理でCEOを務めた経験があり、実績は十分。ただ、代理ではなく大変な重責がかかる本当のCEOとして、今後カリスマ指導者が表舞台を去った後の同社をうまく舵取りできるかは未知数である。
Apple、療養中のSteve Jobs氏がCEO辞任、後任はTim Cook氏
AppleのJobs氏が6月末まで療養休暇、CEO代行はCOOのCook氏
Apple、COOのTim Cook氏へのボーナスは約20億円
ジョブズ氏の経営手腕や人気の高さを伝えるニュース
2011年8月、アップルの株式時価総額がエクソンモービルを抜いてついに世界一になった(ただし、ジョブズ氏の退任発表後はアップルの株価が下落し、再び順位が入れ替わった)。その同社を長年率いてきただけに、ITproでも過去に経営手腕や人気の高さを伝えるニュースをたくさん掲載してきた。それらの一部を紹介しよう。
「世界で最も優秀なCEO 30人」、AppleのJobs氏やARMのEast氏など
最も働きやすい米国企業はFacebook、Jobs氏の支持率は97%
Jobs氏、Fortune誌の「技術業界で最も頭が切れるCEO」に選ばれる
[Macworld2009]Jobs不在で基調講演の行列はまばら
世界で最も尊敬されているCEOはBill Gates氏、2位にSteve Jobs氏