「少額の決済にも本社の許可が必要」「ポストが不足し昇進の芽が無い」。中国事業における人材難など、日本企業がグローバル化するうえで問題に突き当たるのは、独特の人材マネジメントが海外で受け入れられないからだという論調がある。筆者はトヨタ自動車など内外の大手企業23社への取材から、こうした「日本異質論」を否定。海外進出のステージを5段階に分け、「外資系企業でも過渡期のステージでは本社への依存が高い」と主張する。

 関心が高い社内公用語の問題についても、安易に英語化に飛びつかず、市場規模や他の地域との人材貸借の必要性などを鑑みて決定すべきだとする。グローバルに人事戦略を考えるうえで役立つ。

もっと本気で、グローバル経営

もっと本気で、グローバル経営
海老原 嗣生著
東洋経済新報社発行
1890円(税込)