Donut(ドーナツ)にEclair(エクレア)といったお菓子の名前から、Tiger(タイガー)やLeopard(レパード)、Lion(ライオン)といったネコ科の猛獣、そしてMango(マンゴー)といった果実の名前---。これらはすべて、ソフトウエアの開発コード名として用いられている単語です。記事にも頻繁に登場するので、ご存知の方も多いでしょう。夏休みの少し時間があるときに、これらを振り返りつつ、その次のバージョンは一体どんな開発コード名になるのか、考えてみるのも面白いかもしれません。

Androidはお菓子がアルファベット順に登場、次の頭文字は「J」?

 スマートフォン用のプラットフォームとして一気に普及した「Android」。バージョンごとに、お菓子の名前に由来する開発コード名が付けられているのを、記事で見たことがある方は多いでしょう。お菓子という共通点だけでなく、アルファベット順に開発コード名が付けられている点も面白いところです。表1を見れば一目瞭然。この機会にAndroidのこれまでの軌跡を振り返ってみましょう。

表1●Androidの開発コード名とバージョン
お菓子の名前がアルファベット順に並ぶ。
開発コード名該当するAndroidのバージョン
Cupcake1.5
Donut1.6
Eclair2.0、2.0.1、2.1
Froyo2.2
Gingerbread2.3、2.3.3、2.3.4
Honeycomb3.0、3.1
Ice Cream Sandwichバージョン番号は不明(8月8日時点)

●Android黎明期(開発コードが一般に知られる以前)【2007年11月~】

 Androidが表舞台に登場したのは2007年11月。このころは内部的には開発コード名はあったかもしれませんが、表には出てきていません。「グーグルフォン」などと呼ばれていた時期です。

●Cupcake(Android 1.5)関連【2009年4月リリース】

 2009年2月の記事に初めて「Cupcake」という開発コード名が登場します。Cupcakeの公式リリースは2009年4月。当時はまだ開発者の注目を集め始めた段階で、最初にCupcakeが登場した記事も開発者向け、それもかなり技術的に深い内容の記事に登場しています。このころの開発者のさまざまな取り組みが、今のスマートフォン隆盛の時代につながっています。

●Donut(Android 1.6)関連【2009年9月リリース】

 実は「Donut」と明記した当時の記事は、ITproには1本しか存在しませんでした。一方、バージョン表記の「Android 1.6」と記述した記事は非常に多く、ここで紹介しきれないほどです。Android 1.6が「Android」を広く一般に知らしめたバージョンであることが記事の分量からうかがえます。実際、大ヒットしたAndroid搭載スマートフォンであるソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズの「Xperia X10」(日本ではNTTドコモが「Xperia SO-01B」として2010年4月に発売)は、当初はAndroid 1.6を搭載して登場しました。

●Eclair(Android 2.0/2.0.1/2.1)関連【2010年10月、12月、2010年1月リリース】

 着実な歩みを遂げてきたAndroid。Eclairは、開発者にとってのリファレンス機となった「Nexus One」に搭載されます。このEclairはバージョン番号が2.0になり、ユーザーインタフェースも洗練度合いを増します。