外出先でメール確認、ウェブ閲覧がストレスなく行えるスマートフォンは、プライベート利用とビジネス利用との垣根が曖昧である。Office文書の閲覧アプリがプリインストールされた端末も数多くあり、 “個人の端末”を利用して仕事に活用した経験のあるビジネスマンも少なくないのではないだろうか。
Android Developer Loungeでは、ITproに掲載された記事『個人持ちスマホの業務利用はもはや避けられない?』をトリガーとして、「個人所有スマホの業務利用、どう思う?」という問いかけを行なった。以下、そのやり取りを紹介する。
『個人持ちスマホの業務利用はもはや避けられない?』
読んでどう感じられましたか?
また、ご自身の会社ではどうですか?
・スケジュールやメールを手動で複数に分けて管理したくない
・複数のデバイスを管理したり持ったりしたくない
・折角買ったスマートフォンの使い道がない
という点から、社員の側からも強い欲求があることが従来と違う点と思います。(従来は「会社が金を出すならOK」だった)
一方で、各種仮想化技術によってハードウェアとセキュリティを分離するのは必然となっており、端末についてもハードとセキュリティの分離は乗り越えるべき課題に過ぎません。
本来セキュリティのために何か余分な出費をするのは企業にとってマイナスですので、技術の進歩で必然性がなくなれば支給しなくなるのは企業としても合理的です。
懸念されるのは「会社が買ってくれる携帯」というある種の給与外所得がなくなることですが、バブルも終わり、管理も厳しくなり、あまり意味がなくなっていると思います。
サービス残業は、支給携帯でもプロバイダーメールでも同じことなのでBYODとは関係なく起こります。通話記録やメールログを監査してない企業では起こりうることで、企業のモラルの低さを理由に社員の能力向上を思いとどまるのは愚かな判断といわざるを得ないでしょう。
BCPとの関連については「緊急時のみセキュリティを緩めてよい」というのは合理的でもありますが愚かでもあります。緊急時こそ狙われるというのが今のセキュリティ事情なので。
一番良いのは現用予備であり、普段使っているものをBCP対策として使えることです。そういう意味でもBYODは合理的です。
BYODとは「Bring Your Own Device」の略称で、個人所有端末を業務に活用することを指す。「スケジュールやメールを手動で複数に分けて管理したくない」「複数のデバイスを管理したり持ったりしたくない」「折角買ったスマートフォンの使い道がない」といった感想は、ある意味で多くのビジネスマンの本音と言えよう。だが一方で、Innocent Manさんが指摘するセキュリティの問題、サービス残業の問題はクリアすべき課題として残る。
一方で企業側としての合理性があるというご指摘もなるほどで、この両方の要因に、MDMなどの管理技術面の進歩が後押しする形でBYODが進んでいる、という感じでしょうか。
BYODの話で興味深いのは社員の労働の話とセットになって議論が進んでいるということかなあと。ノートPC以上に個人の仕事のスタイルに絡んでくるからでしょうか、ここまでIT機器と社員の労働の話が密接にからむようになったのは、今まではなかったことではないかと思います。
個人で買ったスマホを、仕事で使う分、会社がコスト負担をしてくれるのか?というのが疑問です。
このご意見をうかがってちょっと連想したのは、MDMのこと。個人所有の端末を会社側のMDMでワイプすることになったら、どうなるのでしょうか?
たぶん現状のMDMソフトの仕様では、ぜんぶのデータを消し去ることになるのだと思います。ですが、個人所有の端末であれば、友人や家族、あるいは趣味など自分のデータも入っています。つまり、業務でもプライベートでも使っている個人所有の端末を紛失した際、会社のルールに従ってワイプすることになったら……。個人としてはちょっと勘弁してほしいですよね。
いつでもどこでも使えて便利な反面、個人端末利用に対するコスト負担、企業側の管理ソフトであるMDM(Master Data Management)との紐付けなど、そのほかにも課題は多い。このテーマに関する議論は現在も進行中。ぜひ、さまざまな意見を寄せてほしい。
出典:トピック「個人所有スマホの業務利用、どう思う?」 - Androidビジネス活用フォーラム