現在、Androidアプリ開発者の注目を浴びている「Google App Inventor for Android(以下、App Inventor)」は、プログラムコードを書くことなく、Javaなどの専門知識を必要とせず、簡単にAndroidアプリを作ることができるツールだ。

 この記事では実際にサンプルアプリを作成しながら、「App Inventorの特徴」、「App Inventorでどこまで作れるのか」、「どのように導入するのか」、「App Invenorを使いこなすテクニック」、「App Inventorで作成したアプリをAndroidマーケットに公開する方法」を紹介する。

開発の流れ

 通常Androidアプリは、「Eclipse」などの開発環境アプリケーションを使いJava言語を用いて作成する。それに対して、App InventorはWebアプリケーションであり、Webブラウザ上でアプリを作成する。コードを書くことはなく、したがってプログラム言語の知識も必要ない。

 App Inventorの画面成は、「デザイナ」と呼ばれる「画面レイアウト」および「使用するComponents(機能)」を設定する画面と、「Blocks Editor」と呼ばれる「何をするか」を定義する画面の2種類だ。

 実際の開発手順としては、デザイナで画面レイアウトとComponentsを設定し、Blocks Editorで何をするかを定義する。その後、Android端末もしくはPC上にてエミュレーター機能を使い動作を確認する。

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画面名
役割
デザイナ 画面レイアウト・使用するCompnents(機能)の編集
Blocks Editor 何をするかを定義する イベントの流れがブロックのような形になっており、直感的にわかりやすい
動作確認 Android端末もしくは、PC上からエミュレーション機能を実行する

App Inventorでどこまでできる

 プログラムを書かないApp Inventorでどこまでできるのか。どのようなComponents(機能)があるのか。

主なApp InventorのComponents

 App Inventorの主なComponentsとして以下のものがある。よく使う機能、使ってみたいと思われる機能はおおむねサポートしていることがわかる。

 
Components名
アイコン
種類
機能
AccelerometerSensor Sensors 端末内の加速度センサーの値を取得できる
BarcodeScanner Other stuff バーコード(2次元・3次元)を読み取ることができる
Camera Media 写真撮影ができる
TinyDB Basic データベース機能。前回起動時の情報を蓄積することも可能
LocationSensor Sensors GPS機能。現在地が確認できる
Player Media 音楽再生ができる
PhoneNumberPicker Social 電話帳の電話番号を取得することができる
SpeechRecognizer Other stuff 音声認識機能。話した内容を認識し文字にする
Twitter Social Twitter機能。タイムライン取得、ツイート、ダイレクトメッセージ送信が可能
VideoPlayer Media ビデオ再生ができる
Canvas Basic 指定した範囲に対し、色付け・落書きができる