「iPhoneやAndroidのプログラミングは難しい…」とあなたが感じているとしたら、米Microsoftのスマートフォン用オペレーティングシステム「Windows Phone 7」こそあなたが求めるものかもしれません。Windows Phone 7の上で動くアプリケーションは、無償提供されている「Windows Phone Developer Tools」で開発可能です*1。このツールは統合開発環境「Visual Studio 2010 Express for Windows Phone」を含み、そこではC#(シーシャープ)でWindows Phoneアプリケーションを開発できます*2。Visual StudioとC#のスキルをそのまま、Windows Phone 7のアプリ開発に生かすことができるのです。

 この特集では、Visual Studio 2010 Express for Windows Phoneを使ったプログラミングの基本を解説します。ツールにはWindows Phoneのエミュレーター*3が含まれているので、Windows Phoneのハードウエアがなくても開発できます。2011年後半にWindows Phoneを入手する計画を立て、今からプログラミングを始めてみるのはどうでしょうか?

Windows Phoneってどんなもの?

図1●Windwos Phone 7を搭載した台湾HTCの「HD7 T9292」
図1●Windwos Phone 7を搭載した台湾HTCの「HD7 T9292」
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図2●Windows Phoneとの通信を担当するWindows上のソフト「Zune」
図2●Windows Phoneとの通信を担当するWindows上のソフト「Zune」
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 Windows Phoneとはどんなものか、そこからスタートしましょう。図1はWindows Phoneを搭載した台湾HTC(http://www.htc.com/)の「HD7 T9292」という携帯電話機です。512MバイトのROM(Read Only Memory)、576Mバイトのメモリー、16Gバイトのフラッシュメモリーを持ち、大きさは高さ122×幅68×奥行き11.2ミリメートル、重さは162グラム。タッチスクリーン付きの4.3インチ液晶画面(480×800画素)、500万画素のカメラ、GPS(Global Positioning System)機構、加速度センサー、近接センサー、Bluetooth、IEEE802.11b/g/nの無線LAN機能なども備えています。

 Windows Phoneは、画面下に三つのボタンを持ちます。左から「Back(戻る)」「Start(スタート)」「Search(検索)」です。Backは、Webブラウザーの「戻る」と同じように、前ページに戻るのに使います。Startを押すと図1左側のスタート画面に戻ります。Searchを押すと検索ページが開きます。

 Windows Phoneは、Windowsパソコン上のソフトウエア「Zune(ズーン)」と組み合わせて使うようになっています(図2)。Zuneを使うと、静止画、動画、音楽などをWindows Phoneに転送できます。インターネット経由で動画を購入したりレンタルしたりすることも可能なようです。