国内でのAndroid端末の広がりを受けて、端末を活用するためのソリューションが、急速に充実しつつある。その状況が浮き彫りになったのが、2011年6月に千葉・幕張メッセで開催されたICT関連イベント「Interop Tokyo 2011」。展示会場には、企業向けのセキュリティ管理製品、企業システムにリモートアクセスするためのVPNサービスなど、Android関連の各種展示が目立った。

 2011年6月に開催されたInterop Tokyo 2011では、セキュリティ製品をはじめ、映像コミュニケーションのツール、サービスプロバイダー向けのシステムなど、Android関連のソリューションがいくつも並び、端末の増加に合わせてソリューションが充実してきたことを強く印象付けた。以下、いくつか紹介しよう。

企業システムへの接続をセキュアに

 富士通は、セキュリティを高めたモバイル端末用のWebブラウザー「FENICSブラウザ(仮称)」を参考出展した(写真1)。Android 2.1/2.2/2.3搭載端末、iPhone 4で動作する。汎用のWebブラウザーとの違いは、アドレスバーがなくURLの表示や入力ができないことである。ブックマーク登録もできない。

 一般的なブラウザーとしてみれば使いづらいものでしかないが、スマートフォンの企業利用を考えるうえでは、セキュリティ強度を高められる。アドレスバーをなくすことで、指定外のサイトへの接続を制限できる。これにより、内部ネットワークの情報も漏洩しにくくなる。ブラウザー終了時にはキャッシュや履歴をすべて消去するため、データも持ち出されにくい。

 参考出展ではあるが、同社の企業向けリモートアクセスサービスの「FENICS!)ユニバーサルコネクト」での利用を想定したもので、「2011年8月中には提供開始する予定」(富士通の説明員)だという。

 富士通ネットワークソリューションズのモバイルソリューション「モバらくだ」でもAndroid関連の出展があった。展示されていたのは「モバイルオフィスゲートウェイ」(写真2)を中心としたテレワーク環境の構築例である。

 モバイルオフィスゲートウェイは、ユーザー認証機能やパソコン(PC)の電源管理機能などを提供する小型サーバー。VPN装置を備えたLAN環境であれば、追加設置するだけでモバイル端末によるリモートアクセス環境を整えられる。対応端末はiPhone/iPadだけだったが、2011年6月からAndroid搭載端末もサポートを始めた。

写真1●モバイル端末用Webブラウザーの「FENICSブラウザ」
写真1●モバイル端末用Webブラウザーの「FENICSブラウザ」
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写真2●モバイル端末向けのリモートアクセス環境を手軽に構築できる「モバイルオフィスゲートウェイ」
写真2●モバイル端末向けのリモートアクセス環境を手軽に構築できる「モバイルオフィスゲートウェイ」
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