2011年7月17日、東京・早稲田大学で開催された「Android Bazaar and Conference 2011 Summer」(以下ABC 2011 Summer)。初回の2009年6月から年々規模を拡大し、今回は通算5回目。早稲田大学内の複数棟にまたがり、様々な分野のカンファレンスが行われた。

 今回は出展ブースの模様を中心にレポートする。企業や日本Androidの会などが製品や研究結果、アプリなどをブースとして出展。会場にはカンファレンスをじっくり聞きに来た人たちばかりではなく、ブースを回りながら最新のAndroid端末/アプリに触れる人たちの姿も多数見受けられた。

東北・震災関連ブースを展示し震災復興を支援

 基調講演が行われた大隈記念講堂地下の小講堂には、「東北・震災関連ブース」と題して、震災地に本拠を置く企業が出展していた。そもそも今回のイベント自体が副題を「頑張れ日本、頑張れAndroid!!」としており、IT技術により震災後の復興支援・再生を手助けする目的もある。

写真●東北・震災関連ブース
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写真●イベントの副題は「頑張れ日本、頑張れAndroid!!」
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「みやぎモバイルビジネス研究会」のブースでは、東北工業大学と仙台のANDEXが共同開発した観光アプリ「マプコミ」を紹介した。同じく仙台のトライポッドワークスは「みんなで作る仙台3Dマップ」をデモ展示。このマップは、まず多数のユーザーがスマートフォンなどを用いて多方向から同一の建物を撮影し、そのデータを一旦サーバーで共有する。次にこのデータを元に3Dマップを生成し、最終的にはGoogleマップをタップすることにより、3D化した建物が表示されるというもの(例えば有名な観光地の仙台城など)。元データの提供を各ユーザーが行うという点がポイントで、そこに写真共有のSNS的機能も加わった有機的な仕組みである。同社では「実物を見る」「写真を撮る」「写真を共有する」「3Dで見る」といった一連の流れを“東北 SAIKOU スパイラル”(SAIKOUは再興と最高のダブルミーニング)と名づけ、復興の一助としたい考えのようだ。

写真●「東北・震災関連ブース」に出展した「みやぎモバイルビジネス研究会」
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