パソコンの節電策を、具体的に見ていこう。パソコンを使っているときは、消費電力に大きく影響する液晶の明るさを調整するのが最も効果的だ。アプリケーションソフトの使い方でも消費電力は変わるが、日本マイクロソフトの詳細な調査データを見てもその変動幅は小さい。液晶の輝度を調整する方が、はるかに効果がある。

液晶を無駄に明るくしない

 液晶の輝度は、ノートパソコンならキー操作で簡単に落とせる(図1)。デスクトップパソコンの外付けディスプレイなら、メニューボタンで調整できる(図2)。購入状態では見栄えを重視して最大輝度になっていることも多いので、輝度を適正にすれば目にも優しい。最初は暗く感じても、慣れればかえって目の疲れが減ることが多い。

図1●ノートパソコンの明るさはキー操作で調整する
図1●ノートパソコンの明るさはキー操作で調整する
ノートパソコンやディスプレイ一体型デスクトップの場合、ディスプレイの明るさは、[Fn]キーを押しながら特定のキーを押せば変更できる製品が多い。どのキーを使うかは、メーカーや製品によって異なる。
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図2●外付けディスプレイはメニューボタンで調整
図2●外付けディスプレイはメニューボタンで調整
デスクトップパソコンの外付けディスプレイは、メニューボタンを操作して調整する。USBケーブルでパソコンと接続して、本体側から制御できる製品もある。
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図3●節電設定は「電源オプション」の画面で
図3●節電設定は「電源オプション」の画面で
Windows Vista/7では、ディスプレイを含むパソコンの節電設定は、コントロールパネルの「電源オプション」画面で「電源プラン」を選ぶことで変更できる。同様のメニューをWindows XPでは「電源設定」と呼んでいる。
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 離席時は液晶を消灯する。いちいちボタンを押さなくても、一定時間パソコンを操作しないと、自動的に暗くしたり消したりできる(図3図5)。Windowsのコントロールパネルから「電源オプション」の画面を開いて設定できる。各項目を1つずつ設定しなくても、電源プランを「省電力」に切り替えれば代表的な値に自動設定される。電源ボタンを押したりカバーを閉じたりするだけでスリープに移行する設定にしておくのも便利だ。経費がかからず操作の快適さも損なわずに節電できるので、ぜひ実践してほしい。

 一方、パソコンを使っていないときの節電は、こまめに電源を切ることに尽きる。ただ、液晶は別としてパソコン本体は、ただやみくもに電源を切ればいいわけではない。なるべく仕事の効率は落とさずに最大の節電効果を得るには、普段は「スリープ」を多用するのがお勧めだ。

図4●電源プラン「省電力」の設定変更画面
図4●電源プラン「省電力」の設定変更画面
ディスプレイを暗くする、電源を切る、パソコンをスリープ状態にするという3段階の時間を、バッテリー駆動と電源接続のそれぞれで設定できる。デスクトップパソコンでは、明るさ調整のスライダーバーは無い。
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図5●電源ボタンやスリープボタンの動作変更画面
図5●電源ボタンやスリープボタンの動作変更画面
電源ボタンやスリープボタンを押したときの動作を「シャットダウン」から「スリープ」などに変更することも可能。スリープ復帰時にパスワード入力を省略する設定もある。
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