花火を見物しながらピザを食べたい。だけど花火会場だと住所が分からないし、注文は難しそうだな─。「外出先でも注文したい」という消費者のインサイトをつかみ、サービス提供開始から4カ月の累計で1億円を売り上げたiPhone向けのアプリケーション(iPhoneアプリ)がある。ドミノ・ピザ ジャパン(東京都千代田区)が2010年3月8日から提供を始めた「Domino’s Apps」だ(図)。Domino’s Apps経由の注文による売り上げは、当初の想定の2倍以上に達している。
Domino’s Appsの特徴は、iPhone本体が持つGPS(全地球測位システム)機能を利用して、住所が分からない公園や海辺といった場所からでも注文できることだ。Domino’s Appsを起動して「現在地にお届けする」というボタンを選ぶと地図に切り替わり、GPS機能によって現在地を表示する。現在地を指定してメニューを選ぶと、近隣の店舗に注文できる仕組みだ。
iPhoneアプリの利用に備えて、店舗側も対策を打った。「公園の噴水の近くにいます」といったあいまいな情報でも配達できるようにするため、顧客が注文時に見ているのと同じ地図を店舗でも表示できるシステムを作った。合わせて社員教育も実施。「GPSの誤差は5m程度なので、配達に行って場所が分からない場合は現地に着いてから顧客に連絡すれば場所が特定できる」とマーケティング部広告販促グループの安村達郎担当課長は話す。