企業では日々、様々なプロジェクトが進行している。時には多数のプロジェクトを束ねるマネジャーたちは、Excelで効率よくプロジェクトを管理するワザを持つ。本連載の第2回では、そんな百戦錬磨のプロジェクトマネジャーに「資料作りに役立つワザ」を披露してもらう。「カメラ」機能と「グループ化」機能を駆使すれば、見やすい資料を素早く作れるようになる。

【資料作りに役立つワザ】 「カメラ」や「グループ化」で情報集約

 Excelで作成した表やグラフは、そのまま印刷して報告資料として利用できるが、一枚の資料としてきれいにまとめるのには工夫が必要だ。

 例えば、複数の表を上下に並べた資料を作りたいとき、同じシートに体裁の異なる二つの表を並べて作成すると、セルの幅がどちらか一方の表にそろってしまい、もう一方の表が見づらくなってしまう。

 また、たくさんの行や列の中から、必要な部分のデータだけを資料用に使いたい場合には、どうすれば効率がよいだろうか。

 このようなときに使えるExcelの便利な機能が「カメラ」や「グループ化」である。カメラとは、Excelシート上に作成した表を、別の場所に張り付ける機能。グループ化とは、複数の行や列を折りたたんで非表示にする機能である。

体裁の異なる表をそのまま並べる

図1●カメラを使ったプロジェクト報告書
図1●カメラを使ったプロジェクト報告書
サインポストの蒲原寧さんは、プロジェクトの状況を集約して報告するため、カメラと呼ぶ機能を使って項目の幅がそろっていない表をまとめて報告書に盛り込んでいる。
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 まずは、カメラ機能の利用方法を見てみよう。ユーザーに対するプロジェクト報告書をExcelで作成しているサインポスト(東京都中央区)の蒲原寧さん(代表取締役社長)は、報告書に表を盛り込む必要があるときには必ずカメラ機能を活用している。例えばプロジェクトの計画と実績をまとめた表を盛り込みたいときには、別シートで表を作成。それをカメラで、報告書のシートに張り付けている(図1)。「セルの幅や個数が異なる表をそのまま上下、左右に並べられるので、体裁の違いを気にせずに報告書を作成できる」(蒲原さん)。

 張り付けた表のサイズはマウスで自由に変更できるので、資料のレイアウトに合わせて見栄えよく調整するのも簡単だという。カメラ機能では、張り付け元の表の内容を変更すると、張り付け先の内容が自動的に変更されるので、修正の手間も省ける。

 ただし、デフォルトではカメラは、メニューバーには表示されていない。Excelの[表示]メニューから[ツールバー][ユーザー設定]をたどって設定すると、アイコンを表示できる。