現在、市場には400種類ものAndroid端末が存在するという。業務にAndroidを導入しようと考えた時、一体どのような機種を選択すればよいのか迷ってしまうことだろう。「Android Developer Lounge」では積極的に市場動向や導入事例記事をフォローしている。まずは、「業務用スマートフォン」についてのアンケート結果から見ていこう。
■導入済みは7.7%で検討中は36.9%
■「導入のきっかけ」となった一番の理由は「業界での業務用スマートフォンの導入が進んでいる」こと
1番目:「業界での業務用スマートフォンの導入が進んでいるので、自社でも積極的に取り入れた」で50.7%
2番目:「社員からの業務用スマートフォン利用の要望が高まったため、会社として導入を決めた」で31.9%
3番目:「個人利用のスマートフォンを業務利用することでセキュリティリスクが高まるため、会社として導入を決めた」で2.9%
■「導入済み」の業務用スマートフォンの端末機種、1位がiPhone、2位がBlackBerry、3位がその他
■「導入予定」の業務用スマートフォンの端末機種、1位がiPhone、2位がGalaxy S、3位がXperia
■「導入済み」企業、約6割が「満足」と回答
メリットはEメールやスケジュールを外出先でも素早く確認できること。スピードアップが一番実感しやすい効果のようです。
■不満点はWindows環境との整合性が良くないことやセキュリティ対策
一方で「不満がある」という回答者からは、「既存のWindows環境との不適合(ウイルス対策ソフトやその他の社内標準ソフト、機器)がある」、あるいは「セキュリティ対策上機能を制限せざるを得ず、本来多機能なスマートフォンの利点を生かし切れない」という声があったそうです。
この調査からは、IT業界全体で業務用スマートフォン導入が進んでいることが浮き彫りとなっている。現状ではiPhone、BlackBerryが「業務用スマートフォン」の位置づけだが、「導入予定」ではGalaxy S、Xperiaに対する期待が高い。今後は随時、Android端末への移行が進んでいくものと思われる。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20110630/361873/
見どころはアプリケーションストアの「AppHQ」。Androidでセキュリティ上の「穴」になりやすいと指摘されているアプリケーションについて、開発から配布、管理まで、企業のシステム管理者側で一貫してコントロールできるのが面白いところです。
Androidを採用しつつ、Googleが作っているAndroidエコシステムの「自由さ」から一定の距離を置く(例えば管理機能やセキュリティ機能などの強化)、ということが、現時点においては業務用端末のカルチャーとして必要なんだろうと思います。
中長期的には、コンシューマ用とエンタープライズ用の境目は見えなくなっていくのではいかと予想していますが、そうなるまでにエンタープライズ分野でのシェアを築いた所は引き続き良いポジションを取れる可能性はあるだろうなあ、なんて思っています。
米シスコシステムズが7月31日にグローバルで発売するのは、企業向け通信およびコミュニケーション用タブレット端末「Cisco Cius」。7型タッチ画面でビジネス用途に特化し、HDビデオ通話機能などでコミュニケーション強化を図る。yoshitakさんが投稿で触れている「AppHQ」は、Cisco Cius向けアプリ開発および調達を支援するマーケットプレイス。シスコとしては包括的に、ビジネス分野におけるAndroid市場を開拓していきたい構えのようだ。
このように、国内大手企業でも導入が始まっており、着実にAndroidの業務利用が浸透しているのは確かである。専用端末なのか既製の端末なのか。導入に際してはコストやセキュリティの問題も大きく絡んでくるだけに悩ましいところだ。
出典:トピック「企業で導入する際のAndroid機種選定方法」 - Androidビジネス活用フォーラム