データベースは、あらゆるアプリケーションで必要になる基本機能だ。アプリケーションの実行環境を提供するPaaSに、データベースは欠かせない。こうしたサービスに向けて、NoSQL、RDBとも、データベースの管理者用APIの整備が進んできた。

データベースもクラウド仕様

 NoSQLのPaaS提供で先行したのは、米アマゾン・ウェブ・サービシズ(AWS)だ。2007年に、分散KVSサービスの「SimpleDB」の提供を開始した。2008年には、米グーグルが「Google App Engine」内で、米マイクロソフトが「Windows Azure Platform」内で、それぞれ分散KVSサービスを始めた。国内でも2010年7月から、さくらインターネットが「KVSアルファテストサービス」を提供している。

画面●米アマゾン・ウェブ・サービシズの「Amazon Relational Database Service(Amazon RDS)」の管理画面
画面●米アマゾン・ウェブ・サービシズの「Amazon Relational Database Service(Amazon RDS)」の管理画面
オープンソースソフトのリレーショナルデータベース「MySQL」を、動作させる仮想マシンやセキュリティパッチの自動適用の可否などを指定するだけで利用できる
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 RDBのPaaSも増えている。AWSが2009年10月に始めた「Amazon Relational Database Service(Amazon RDS)」サービスは、MySQLをPaaSとして利用できる(画面)。2011年1月には、Amazon RDSにOracle Databaseを追加すると表明した。

 データベースソフトも、PaaSで利用されることを想定した機能強化を進めている。例えばIBMは次期DB2で、Webブラウザーからデータベ ースを管理する機能を追加する予定だ。またWebアプリケーションのAPIとして一般的な「REST」形式のAPIを用意するという。