第1回でもふれたが、スマートフォンやタブレットに使われるプロセッサには、何種類かあり、複数のメーカーがこれを開発している。パソコンでは、CPUを製造するメーカーは限定されているが、スマートフォンやタブレットに使われるARM系プロセッサを製造するメーカーは、外販されるものだけで多数ある。

 用途は、スマートフォンやタブレットに限らず、携帯ゲーム機やポータブルメディアプレーヤー、家電など幅広い範囲にわたる。さらに、自社の製品のためだけにARMプロセッサを含むカスタムデバイスを製造するメーカーも多い。一説には、ARM系のプロセッサは、パソコンのプロセッサの10倍以上出荷されているという。

 今回は、スマートフォン/タブレットなどに使われるアプリケーションプロセッサに相当するものを開発しているメーカーを見ていくことにしよう。第1回で見たスマートフォン/タブレットのプロセッサのメーカーは5社あったが、それ以外にもアプリケーションプロセッサを開発しているメーカーがある(表1)。この表に挙げたのは主なメーカーのみで、同程度の性能を持つSoCを開発しているメーカーはほかにもある。

表1●アプリケーション・プロセッサを開発している主なメーカー
表1●アプリケーション・プロセッサを開発している主なメーカー

 携帯電話やスマートフォンを製造するメーカーは比較的大きなセットメーカーとなり、数量も大きくなる。そのため、ある程度の規模を持つ半導体メーカーでないと対応ができないことが多いが、携帯電話の通信機能を持たず、また、Androidを載せただけのタブレットなども多数ある。このクラスの製品にプロセッサを提供しているメーカーはかなり多い。

 まずは、国内で販売されているスマートフォンやタブレットで採用されているプロセッサとそのメーカーを見ていくことにしよう。