米国では今、SMBをターゲットにしたITビジネスが盛り上がっている。SMB(Small Medium Business)を日本語に直訳すると「中小企業」となるが、米国のSMBは日本で言う「中小企業」とは少しイメージが違う。ベンチャーやSOHO(Small Office/Home Office)を含めた少人数の企業形態全般を指している。

 SMBは、大企業と比べ手間がかかり利益が出にくい、成功の難しい市場と認識されてきた。潜在的には巨大なこの市場にIT企業は何度か挑んできたが、失敗を繰り返し、その結果、何となく敬遠されるようになってしまった。しかし、米国においてSMBは、2008年のリーマンショックによる経済ダメージが大企業より少なく(Frost&Sullivan社調べ)、IT投資額も2011年にはリーマンショック前とほぼ同等レベルに回復すると予測(IDC調べ)されている。その屈強さにIT企業各社が注目し、改めて期待度が高まっているのだ。

 そのSMB市場で、いち早く成功を収めたと言われる通信キャリアのサービスがある。AT&Tが展開するITサポートサービス「Tech Support 360」だ。通信の不具合やウイルス除去などオフィスで発生するITの悩みを、オペレーターによるリモート操作もしくは技術者の駆けつけによってサポートするものである。

 2008年のサービス開始以来、2010年11月時点で24万以上の顧客を獲得しているという。そのサービスを実際に利用し、ユーザーの視点から検証し、成功の秘訣を探ってみよう。