Active Direcotyによるクライアントパソコンの管理では、どのクライアントにも同じデスクトップ設定を適用するために「移動ユーザープロファイル」を利用する。ファイルをサーバー側に保存しておくためには「フォルダーリダイレクト」を設定する。これらは個別に使うこともできるが、ここでは組み合わせて使うことを前提に話を進めよう。

ユーザーのデスクトップ環境を一元管理

 移動ユーザープロファイルとは、クライアントのデスクトップ環境や「ドキュメント」フォルダーの中身などを保存した「ユーザープロファイル」を、ユーザーがログオンしたときに毎回サーバーから読み出して適用する機能である。ユーザープロファイルには、「お気に入り」フォルダーやアプリケーションの設定なども含まれている。

 システム管理者はあらかじめユーザープロファイルを作成し、ファイルサーバーの共有フォルダーに保存しておく。そのうえで、ユーザーがログオン時に適用するユーザープロファイルとして、共有フォルダーに保存したユーザープロファイルを指定する(図13の上)。

図13●デスクトップの設定やファイルのバックアップを自動化
図13●デスクトップの設定やファイルのバックアップを自動化
デスクトップ環境を一元管理するには「移動ユーザープロファイル」を使う。設定情報を格納したユーザープロファイルをサーバー内の共有フォルダーに作成して移動ユーザープロファイルを設定すると、ログオン時にサーバーからユーザープロファイルをコピーしてその設定を適用するようになる。ファイルのバックアップには「フォルダーリダイレクト」を使う。フォルダーリダイレクトを設定すると、特定のフォルダー内の変更をサーバー内の共有フォルダーにリダイレクトして随時反映するようになる。
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 ログオフ時は、ローカルのユーザープロファイルが共有フォルダー内にコピーされる。次にログオンするときはコピーされたユーザープロファイルを読み込むので、前回と同じ環境で作業できる。