いまやデータセンターは、企業活動、社会基盤、日常生活を支える頭脳として、非常に重要な役割を果たしている。データセンター業界では以前から、激増するITサービスを効率よく支援するために、グリーン・グリッドの活動に代表されるように、エネルギー効率改善を進めてきた。それらの具体的な改善活動経験や、2010年の「グリーン・グリッド データセンター・アワード」を受賞した企業の実例などを見ながら、ますます重要となる、さらなる電力削減と効率向上への取り組みについて解説する。

目次

設備でできるエネルギー効率の改善

データセンターでのピークシフト

IT機器でできるエネルギー効率の改善

経営力でかなえるエネルギー効率の改善

グリーン・グリッドとは

 グリーン・グリッドは、データセンターやサーバー室,IT機器のエネルギー消費効率を高めることを目的に2007年2月26日に設立された米国の業界団体。データセンターやサーバーの消費電力を測定する基準や,消費電力削減のための手法確立,より省電力な技術の開発などに取り組んでいる。

 こうした活動の一環としてグリーン・グリッドでは、日本国内でエネルギー効率が高いデータセンターの構築・運用に取り組む企業や団体を表彰する制度として「グリーン・グリッド データセンター・アワード」を2010年から制定している。2011年も「グリーン・グリッド データセンター・アワード2011」を開催する。