図2●企業分類別ランキング
図2●企業分類別ランキング
[画像のクリックで拡大表示]

 メーカーやSIer、システム子会社など、IT業界には様々な会社がある。各社を業種やユーザー系/ベンダー系などで分類した就職人気ランキングを図2に示す。前回調査と同様、企業数が多いNTTグループは他の分類と分けて集計している。そのため、総合1位のNTTデータなどは図2に登場していない。

 ほとんどの分類別ランキングで、1位の企業は前回と変わっていない。本調査は一般的な消費者モニター調査と違って、回答者である学生が毎年入れ替わる。そのため、順位は固定しにくいはずなのだが、そうではなかった。IT各社に対して学生が抱いている印象が、口コミなどを通じて固定化しているとみられる。

 前回と首位が交代したのは、「メーカー系SIer」と「その他ユーザー系SIer」である。メーカー系SIerで首位に立ったのは、2010年10月に日立システムアンドサービスと日立ソフトウェアエンジニアリングが合併して設立された日立ソリューションズだ。その他ユーザー系SIerでは、前回3位の電通国際情報サービスが初の分類別1位を獲得した。

IT業界は敬遠されていない

 「IT業界は人気がない」といったネガティブな意見はある。だが、学生はそこまでIT業界を敬遠しているわけではない。

 今回の調査対象者に、「(IT業界以外で志望している)他の業界の会社から内定が出た場合、どちらを就職先として優先させるか」を聞いたところ、「IT業界ではないほうの企業を優先する」とう回答は2割に満たなかった(図A)。約半数(43.5%)は「業界にこだわらず企業の魅力で決める」と回答した。

 IT業界を志望する理由の1位は、「社会に役立つ仕事ができる」である(図B)。こうした期待にIT業界各社が応えることが、IT業界の魅力を高める第一歩だ。

図A●他の業界の会社から内定が出た場合、どちらを就職先として優先させるか
図A●他の業界の会社から内定が出た場合、どちらを就職先として優先させるか
[画像のクリックで拡大表示]
図B●IT業界を志望する、またはIT業界に興味を持つ最大の理由は何か
図B●IT業界を志望する、またはIT業界に興味を持つ最大の理由は何か
[画像のクリックで拡大表示]