今回の調査で明らかになったのは、テストツールの利用率は低いものの(前々回記事)、テストツールを利用している人の満足度は高い(前回記事)ということだ。では、なぜテストツールは使われないのだろうか――。
その理由を明らかにするために、テストツールを使っていない人にその理由を聞いている。単体テスト/結合テスト/システムテストツールのそれぞれで使わない理由を聞いたところ、1位~3位はいずれも同じ。1位は「導入コストが高い」、2位は「手作業で行った方が早い」、3位は「どんなツールがあるのか知らない」であった(図1、図2、図3)。
テストツールの普及を阻んでいる一番の理由は、「コスト」であることが明らかになった。
見過ごせないのは、3位の「どんなツールがあるのか知らない」だ。ツールベンダーの情報提供不足なのか、エンジニアの調査不足なのかは分からない。だが、ツールを吟味した上で使っていないのではなく、ツールの存在を知らないで使っていない人が少なからずいることに注目したい。
テストツールを使っていない人に「今後のテストツールの導入予定」を聞いた。単体テスト/結合テスト/システムテストツールのいずれも、「よい製品があれば導入したい」が4割近くいる一方で、「導入する予定はない」も4割近くいる(図4、図5、図6)。「導入する予定はない」と答えた人は、機能面で「よい」製品があっても、コストの問題をクリアできなければ導入できないと考えたのだろう。