テストツールはどの程度使われているのだろうかー―。この疑問に答えるために、調査ではまず、直近2年間で最も深く関わったシステム開発プロジェクトにおいて、テストツールを使ったかどうかを尋ねた。その結果を見ると、テストツールの利用率は低いことが分かる。
最も高い単体テストツールでも27.7%(図1)と3割以下である。結合テストツールとシステムテストツールの利用率は、どちらも10%台という結果になった(図2、図3)。



プロジェクトの種類(基幹系/情報系、大規模/中規模/小規模)別にテストツールの利用率を見ていく(図4、図5、図6)。全体の傾向としては、基幹系より情報系の方が利用率が低い。例えばシステムテストツールの場合、「基幹系」の利用率は21.0%だが、「情報系」は17.1%(いずれも「大規模」の場合)と4ポイント程度下がる。



また、プロジェクトの規模が小さいほど利用率は低くなる。例えば結合テストツールの場合、「大規模」だと19.8%だが、「小規模」だと8.0%(いずれも「基幹系」の場合)と、利用率は半分にも満たない。
ただ、ユーザー企業にとって最も重要と思われる「大規模基幹系」の場合、単体テストのツール利用率は39.1%と4割近くになる。結合テストとシステムテストでは、約2割がテストツールを利用している。大規模基幹系ではシステムの不具合による影響は大きいし、ツールを使わないと実施できないようなテストもあるだろう。テストツールは、重要なシステムほど使われる傾向にあるようだ。