今回の一番のニュースは米AppleのiOS向けのツールキットがリリースされたことです。これにより、これまでのWindows Phoneに加え、iPhoneやiPad向けのアプリケーションも開発できるようになります。Android向けも来月のリリースを発表するなど、Azureのスマートフォン対応が一気に広がります。

Azure Toolkit for iOSをリリース、Androidも対応表明

 2011年5月10日、Windows Azureのスマートフォン対応として、iPhone/iPadなどに対応する 「Windows Azure Toolkit for iOS」がリリースされました(関連記事)。このツールキットを使うと、Windows Azureを利用したデバイス通知、ユーザー認証、スコアランキングといった機能を提供できます。今回公開されたものは、Windows Azureにアクセスするためのコードライブラリーをはじめ、iOSアプリケーションのサンプル、ドキュメント、Windows Azure実装パッケージなどで構成しています。

 既にリリースされているWindows Phone向けの「Windows Azure Toolkit for Windows Phone 7」も2週間以内にv1.2がリリース予定です。この新版では、「Windows Azure Access Control Service」と「Windows Azure Storage Queues」へのサポートを統合します。

 また、併せてAndroidへの対応についても表明されました。6月には「Windows Azure Toolkit for Android」がリリース予定と発表されています。これにより、スマートフォンのマルチデバイスに対応した、Windows Azureアプリケーションの開発が容易になります。

●関連情報
[Microsoft Announces Windows Azure Toolkits for iOS, Android and Windows Phone](The Official Microsoftのブログ)
[Windows Azure Toolkit for iOS(Xcode用ライブラリー)]
[Windows Azure Toolkit for iOS(Xcode用サンプルアプリケーション)]
[Windows Azure Toolkit for iOS(Xcode用技術ドキュメント)]

Azure Guest OSの1.12と2.4をリリース

 2011年5月5日、Windows Azure Guest OSの定期アップデートとして、最新のバージョン1.12と2.4がリリースされました。今回のアップデートも、セキュリティに関する更新が適用されています。バージョン1.12はWindows Server 2008 SP2をベースにした最新版、バージョン2.4はWindows Server 2008 R2をベースにした最新版となります。

 なお、MIX11で発表された新機能に対応する最新版SDK1.4については、再度修正版が出ています。4月26日の午前8時(日本時間)以前にインストールした人は、削除した後に再インストールをしてください。

●関連情報
[Windows Azure Guest OS Releases and SDK Compatibility Matrix](MSDN Library)
[Windows Azure SDK 1.4 Refresh Issue Resolved](Windows Azure Teamのブログ)

AppFabric Caching Serviceを正式リリース

 2011年4月30日、インメモリーのアプリケーションキャッシュサービス「Windows Azure AppFabric Caching Service」が正式リリースとなりました。このサービスは、MIX11で発表されたWindows Azure Platformの機能強化の一つで、Windows Azure/SQL Azureのデータをメモリー上に格納することで、アプリケーションのパフォーマンスを向上させるというものです。

●関連情報
[Windows Azure AppFabric Caching Service Released!](Windows Azure AppFabric Teamのブログ)
[Windows Azure AppFabric キャッシュ サービスの概要](MSDN マガジン Apr 2011)

Azureを使った3次元空間情報サービスプラットフォームの実用化実証

 測位衛星技術とインディゴは4月25日、GPS/IMES による屋内および屋外の測位技術と、SVG/HTML5をベースとしたマッシュアップ技術を融合した、3次元空間情報システムを開発しました。アプリケーション・サービスの実用化実証が二子玉川ライズにて行われます。

 これは、測位衛星技術の持つ既存のGPSをベースとしたSPS/IMESレシーバーによる屋内/屋外シームレス測位技術「IMES」と、インディゴの屋内/屋外地図マッシュアップ製品「Map MashUp Manager」で構成し、プラットフォームとしてWindows Azure Platformを利用しています。ショッピングガイドや人の流れなどのモニタリング、物流管理をはじめ、新たな 3次元情報アプリケーション・サービスの基盤となることを目指しています。

●関連情報
[インディゴ(株)と測位衛星技術(株)、GPS/IMESを用いた屋内外のシームレス位置情報サービス基盤を開発し、二子玉川ライズにて実証を開始](インディゴのプレスリリース)
[Microsoft Pinpoint : Map MashUp Manager for クラウド]