最終回となる今回は、これまで取り上げなかった調査結果をまとめて紹介しよう。

 まず、IT企業がどんな職種に「質的な不足」を感じているのかを見た後で、ユーザー企業のIT人材に関する調査結果を紹介する。次いで、IT企業における新卒採用、情報系教育機関(大学、大学院、高専、専門学校)の教育内容、産学連携の実践的教育についての調査結果を見ていく。最後に、ITSS(ITスキル標準)とUISS(情報システムユーザースキル標準)の普及状況についての調査結果を紹介する。

質的な不足を感じている職種はプロマネ

 図1は、IT企業におけるIT人材の「質」に対する不足感を、職種別に聞いた結果である。これによれば、特にプロジェクトマネジメント、ITスペシャリスト、アプリケーションスペシャリストに対する「質の不足感」が高い。プロジェクトマネジメントについては「大幅に不足している」または「やや不足している」と回答した企業は6割を超えている。

図1●IT人材の「質」に対する不足感(職種別)
図1●IT人材の「質」に対する不足感(職種別)

 IT企業が特に重点的に確保、拡大を図りたいと考えている職種も、トップはやはりプロジェクトマネジメント(41.3%)。以下、アプリケーションスペシャリスト(33.6%)、ITスペシャリスト(27.8%)が続く(図2)。

図2●IT企業が特に重点的に確保、拡大を図りたいと考えている職種
図2●IT企業が特に重点的に確保、拡大を図りたいと考えている職種

 この傾向は、過去3年間続いており、プロジェクトマネジメント、アプリケーションスペシャリスト、ITスペシャリストの3職種のニーズは、依然として高いことが分かる。