NTT東日本が発表した「フレッツ 光ライト」は、2段階定額制を採用した光サービスの新メニュー。インターネットをそれほど使わなければ月間の通信料金は基本料の3000円弱に収まる。この金額は事務用INSネット64の回線使用料よりも安い。ひかり電話専用回線と割り切れば、企業ユーザーにもメリットがある。
NTT東日本はインターネットの通信量に応じて準定額制の料金を適用する新メニュー「フレッツ 光ライト」を、2011年6月1日に開始すると発表した。基本料金を月額2940円(税込)と既存メニューより割安にして、光サービスのユーザー層を拡大するのが狙いだ。ただし、課金体系の違いから定額を前提とした従来のフレッツサービスの廉価版とは言えない。戸建てとマンションの料金区分を撤廃したことからも、より電話回線に近いサービスといえる。
料金はインターネットなどを使った通信量によって2940円から上限額の6090円の間で上下する(図1)。月間の通信量が200Mバイト以内に収まれば、基本料金である2940円を適用する。それ以上のトラフィックには、上り/下りともに10Mバイトごとに31.5円ずつ従量制で課金し、合計1.2Gバイト以上では、上限額の6090円を適用する。
戸建てユーザー以外は上限額に注意
戸建て向けのフレッツ 光ネクストと比べると、月間通信量が合計1Gバイト以下のケースでは光ライトのほうが料金が安くなる。NTT東日本では、月間1Gバイト以下の利用パターンは「メールやWebなどの利用頻度が2日に1回程度、1回1時間程度で、時々動画を視聴する」といったもので、既存ユーザーの30%がそれに相当すると見ている。
一方、戸建て向け以外の回線を使っているユーザーは移行メリットを得にくい。例えば月額3400円前後のフレッツ光のマンションタイプやフレッツ・ADSLと比べると、光ライトのほうが安くなるのは通信量が380M~400Mバイト以下のときだけだ。
もう一つ押さえておくべきポイントは、光ライトの月額料金算出の指標として、カウントされる通信と、カウントされない通信があること。ひかり電話などの通信はカウントされないのに対し、インターネット利用を含めPPPoEセッションを使う通信はすべてカウントされる(表1)。
NTTドコモやソフトバンクモバイルのフェムトセル基地局のトラフィックも加算対象になる。企業ユーザーの視点では、他社のIP-VPNの足回り回線として使う場合もPPPoEセッションを使うため、常時接続回線としては使いにくいだろう。NTT東日本が提供するVPNサービス、フレッツ・VPNワイドにも対応しない。