イノベーション賞は「ユーザーインタフェースやビジュアルの新しさ・綺麗さ」、「最先端デバイスの斬新な使い方」などが盛り込まれたアプリを表彰する賞。グローバル賞は、日本国内市場のみならず、グローバル市場での展開が期待されるアプリケーションを表彰に贈られる賞だ。そしてイメージング賞は、映像を活用してより便利で魅力ある携帯ライフの提案につながるアプリケーションを選出する賞だ。

 イノベーション賞を受賞した「カレイドカメラ3D」、グローバル賞を受賞した「Droidget Camera」、そしてイメージング賞を受賞した「Morpho Self Camera」を紹介する。

本物以上の立体感と変化で楽しめる3D万華鏡アプリ
<イノベーション賞>カレイドカメラ3D

Voice4u

 「カレイドカメラ3D」は、内蔵カメラで映している映像をリアルタイムで万華鏡風に編集してくれる「カレイドカメラ」に、3D機能を追加したアップグレード版といえるアプリ。3Dで楽しめる幻想的な万華鏡の映像は、ユーザーインターフェースやビジュアルの美しさ、最先端機器の斬新な使い方などにフォーカスしたアプリを対象とした「イノベーション賞」に相応しい出来栄え。審査員もその完成度に舌を巻いた。

 「カレイドカメラ3D」が作り出す3Dは、いわゆる“奥行き感”。撮影した画像は、円筒形の筒を覗き込むように中心に一番深い奥行き感があり、さらに側面にも中心に向かって模様が映し出されているイメージだ。映像を回転させることもできるため、見ている感じはまさに万華鏡そのもの。側面にも映像があることからある意味では現実を超越した万華鏡とも言えるわけで、ただ見ているだけでも不思議と見入ってしまう。

 もうひとつ特徴的なのが、内蔵カメラで映した画像を万華鏡の素材としている点。黒い家具の上にある赤い置物を映せば黒と赤の模様が映し出され、白い壁の黄色いポスターを映せば白と黄色の模様が映し出されるという具合だ。これにより、撮影対象を変えることで、模様は変幻自在に変化する。さらに、模様の細かさや形、奥行き感なども自由に設定可能。こういった細かい部分の作り込みにも隙がなく、まさに無限のパターンで楽しめる“究極の万華鏡”といえるわけだ。

 3D非対応のスマートフォンでも2Dの万華鏡アプリとして楽しむことは可能だが、このアプリはやはり3Dで見てこそ本当のすごさが体感できる逸品。ぜひNTTドコモの「LYNX 3D SH-03C」やソフトバンクモバイルの「GALAPAGOS 003SH」といった3D対応スマートフォンで楽しんで欲しい。「イノベーション賞」の名に恥じない完成度と、そのレベルの高さにきっと驚くはずだ。

写真●カレイドカメラ3Dの画面。写真のように、立体視の万華鏡効果が楽しめる
[画像のクリックで拡大表示]
写真●内蔵カメラで映した画像を素材として3D万華鏡を作り出す
[画像のクリックで拡大表示]
写真●画面タップすると、拡大・縮小ゲージやカメラアイコンが表示される。カメラアイコンをタップすると、万華鏡の画像がキャプチャされ保存される
[画像のクリックで拡大表示]
作者に聞く
ねこめし氏
ねこめし氏[撮影:菊池くらげ]
[画像のクリックで拡大表示]

アプリ開発のきっかけは。

 もともと、カレイドカメラという内蔵カメラを使った万華鏡アプリを作っていました。これはカメラからキャプチャした画像の一部を三角形に切り取り並べて表示する、という単純なものです。日本Androidの会横浜支部の会合に出席したときに「これを3Dにしたらきれいなんじゃないか」と勧められて作ったのがきっかけです。

開発にあたって苦心された点は。

 3Dで表示すること自体は難しい点はありませんでした。ただ2回描画しなければならないこと、ポリゴンが小さくなるため数が増えてしまい、描画が遅くなってしまうのが問題でした。綺麗さが売りのアプリケーションですので、そこを克服することが課題でした。

ユーザーへのメッセージを。

 単純なアプリですので、ユーザの方には素直に綺麗だと思っていただければ大変嬉しいです。また開発者の方には、複雑な3Dデータを用意しなくても3Dを活かしたアプリケーションは作れるのだと思っていただけると幸いです。