日本で高い人気を誇る軽量Linuxディストリビューションの最新版「KNOPPIX 6.4.4」と「Puppy Linux 5.2」が相次いでリリースされている。それぞれ日本語版の登場が迫る中、一足先に最新機能を紹介する。

 軽量Linuxディストリビューションは、複雑なカスタマイズを施さなくても機敏に動作するようメモリー容量やデスクトップ環境などを軽量化したタイプのディストロだ。中でも日本で1、2の人気を争うのが、ドイツのKraus Knopper氏が開発する「KNOPPIX」とオーストラリアのBarry Kauler氏が開発する「Puppy Linux」である。

 いずれもCD-ROM1枚で起動できるライブ版で、かつ設定ファイルやユーザー・ファイルを保存する機能を標準で備える。USBメモリーへインストールすることも可能だ。128Mバイト以下のメイン・メモリー容量でも動作することから、古いパソコンを再利用するのに向く。

 その“本家版”が、2010年末から2011年にかけ相次いでバージョンアップされている。KNOPPIXは、バージョン6.4.3のドイツ語版および英語版が2010年12月20日に登場。次いで2011年2月11日には、バグフィックスなどを施した「KNOPPIX 6.4.4」が公開された(写真1)。従来はバージョン6.2.1が最新だった。2月時点では、6.4.4をベースにした日本語版が提供される見通しである。

写真1 ライブ版ディストロの草分け的存在「KNOPPIX」の最新版「6.4.4」
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 一方のPuppy Linuxは、日本語版の最新バージョンが2009年秋リリースの「4.3.1」である。だが本家の英語版は4.3.1以降、大きく2つの系統で進化している。

 一つは4.3.1の直系となる「Wary Puppy」だ。その最新版であるバージョン5.2が2011年2月21日にリリースされた。日本語版については2011年2月末時点では、Waryをベースにした開発途上版がインターネットで公開されている(写真2)。

写真2 「Wary Puppy 5」の日本語・開発途上版
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 もう一つはUbuntuベースの派生版「Lucid Puppy」。こちらは2011年1月6日、従来のバージョン5.1.1から「5.2」になっている(写真3)。

写真3 Ubuntuベースの「Lucid Puppy 5.2」
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