LPI-Japanが、オープンソースのデータベースソフト「PostgreSQL」を対象にした新たな技術者認定試験を始める。技術者の育成を通じて、オープンソースDBの普及を後押しする。

 Linux技術者認定試験「LPIC」(Linux Professional Institute Certification)を手掛けるLPI-Japanは2月1日、「オープンソースデータベース技術者認定試験」(OSS-DB Exam)を早ければ7月にも開始する予定だと発表した。現在は試験問題の開発を進めている最中で、3月中にβ版のテストを実施する予定だ。

 世界共通の認定制度であるLPICと異なり、OSS-DB ExamはLPI-Japanが独自に制定して実施する。LPI-Japanの成井弦理事長は、「企業のニーズにきめ細かく対応できるオープンソースのPostgerSQLは、日本で広く普及している。商用データベースからの移行も多い。オープンソースの技術者育成を通じて、Linuxを含めたオープンソース全体の普及を後押しする」と話す。

 OSS-DB Examの試験は、認定する技術力の違いに応じて「Silver」と「Gold」の2つに分かれる(表1)。いずれも受験料は1万5750円、試験時間は90分となる見込み。試験代行機関のピアソンVUEが、受験の申し込み受付と試験の実施を代行する。出題するPostgreSQLのバージョンは「9」を予定している。

表1 出題範囲と出題比率
丸カッコ内の数字が出題比率を表す。
表1 出題範囲と出題比率 丸カッコ内の数字が出題比率を表す。
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 Silverの受験対象は、PostgreSQLをインストールして設定を施し、基本的なデータ操作をひと通りこなせる技術者である。試験では、基本的なレベルに到達しているかどうかをチェックする。主に、PostgreSQLの一般的な知識やインストール/設定方法、SQLコマンドの基本的な使い方が問われる。

 Goldは、実際に企業システムでPostgreSQLを運用した経験を持つ技術者を対象にする。試験でも、トラブルやエラーへの対処方法、パフォーマンスチューニングといったノウハウを問う問題が出題される。試験問題の開発を進めている松田神一テクノロジー・マネージャーは、「例えばあるコマンドの出力結果を提示して、それが何のコマンドを実行した結果なのか、システムがどういった状態にあって実行されたのかを推測できないと回答が難しいレベルにする」と説明する。

 以下にLPI-Japanが作成したSilverの試験を想定した問題を掲載した。腕試しに解いてほしい。

【問題1】

PostgreSQLのライセンスについて適切な記述を2つ選びなさい。

□1. PostgreSQLのソースコードは公開されており、誰でもダウンロードできる
□2. PostgreSQLのソースコードに改変を加えた場合、それを公開する義務がある
□3. PostgreSQLのソースコードを改変して再配布するとき、著作権を表示する必要はない
□4. PostgreSQLの開発者は、致命的なバグについて修正の義務を負っている
□5. PostgreSQLはユーザ登録することなく、無料で利用できる

【問題1の答えと解説はここをクリック】