Red Hat Enterprise Virtualization(RHEV)for Desktopsは、レッドハットが提供する仮想デスクトップのソリューションである。サーバー仮想化向けのRHEV for Serversとともに、仮想化基盤管理ソフトウエア「Red Hat Enterprise Virtualization」を構成している。

 2010年7月、レッドハットはデスクトップ仮想化製品 RHEV for Desktopsを発表した。これはLinux、Windows両方のクライアントOSを仮想デスクトップとして提供する製品だ。2008年に米Red HatはイスラエルのQumranet社を買収した。そこで現在のRHEV for Servers/Desktopsの前身であるSolidICEが開発されていた。これは実はサーバー仮想化製品ではなく、デスクトップ仮想化製品だった。

 RHEV for Desktopsの最大の特徴はLinuxのクライアントOSの仮想デスクトップ化だ。仮想デスクトップ環境でサポートするOSは、Red Hat Enterprise Linux Desktop(32/64ビット)、Windows 7(32/64ビット)、Windows XP(32ビット)である。

 UbuntuやAndroidなどをはじめとするクライアントOSとしてのLinuxは、以前に比べてずいぶん一般化した。レッドハットにもRed Hat Enterprise Linux Desktop(RHEL Desktop)というクライアントOS製品があり、日本でも企業の研究機関や大学などで導入実績がある。

 RHEV for Desktopsでは、このRHEL Desktopを仮想デスクトップとして利用できる。もちろん、Windows OSも仮想デスクトップとして利用可能だ。RHEV上で動くWindows OSにはWHQL(Windows Hardware Quality Labs)認証済みのデバイスドライバを提供している。