現在世界中の新しい物好きたちの間で急速に浸透し始めているプレゼンテーションツールがあります。そのツールの名前はPrezi(プレジー)。Prezi社は2007年にハンガリーで創業したばかりのとても若い会社ですが、そのツールが秘めている可能性は無限大と言えるかもしれません。
Preziとは
と言っても、プレゼンテーションツールならもうPowerPointやらKeynoteやらで十分事足りているよ、という方がほとんどでしょう。もちろん筆者もそうでした。しかし、前回の記事で紹介したとおり、Preziはこれまでのプレゼンテーションツールとはまったく別物と考えるべきツールです。
その大きな理由は、Preziにはスライドというこれまでのプレゼンテーションツールでは当たり前だった概念がなくなったことです。スライドという枠がなくなることで、表現の幅は大きく広がり、プレゼンテーションの聞き手は逆に理解が驚くほど早くなります。今回から具体的に、このPreziというシンプルで、斬新で、強力なプレゼンテーションツールの使用方法を解説します。
Preziの仕組みとライセンス形態
何はともあれ、ユーザー登録をしないことにはPreziは使えません。まずはPreziのWebサイトにアクセスしてユーザー登録をしてみましょう。
トップページ(図1)を開くと、ここに[Sign up now]ボタンがあります。これをクリックして、まずはユーザー登録をします。登録を済ませた後は、画面右上にある[Log in]ボタンからMy Preziページにアクセスすることが可能になります。
  | Public | Enjoy | Pro |
---|---|---|---|
オンラインでのコンテンツ作成 | ○ | ○ | ○ |
オフラインでのプレゼンテーション | ○ | ○ | ○ |
コンテンツのプライベート化 | - | ○ | ○ |
Preziロゴの非表示 | - | ○ | ○ |
Prezi Desktop | - | - | ○ |
オンラインストレージ容量 | 100Mバイト | 500Mバイト | 2000Mバイト |
ライセンス料 | 無料 | 年間59米ドル | 年間159米ドル |
Preziは3つのライセンスに分かれています(表1)。初めて使う場合は、無料で使用できるPublicライセンスから試してみるのがよいでしょう。
- Public:Publicライセンスは無料ですが、Preziの基本的な機能に制限があるわけではありません。条件としては作成したプレゼンテーションが自動的にPrezi Explore(後述)で公開され、プレゼンテーションにはPreziのロゴマーク(Watermark)が挿入されます。またオンラインストレージ容量は100Mバイトまでとなっています。
- Enjoy:Enjoyライセンスからは有料となります。Enjoyライセンスは年間59米ドルです。特徴としてはPreziのロゴが表示されなくなり、Public版では作成することができなかった非公開プレゼンテーションを作成できるようになります。またオンラインストレージ容量は500Mバイトに増量されます。
- Pro:Proライセンスでは年間159米ドルで、ローカルPCにインストールして、オフラインでプレゼンテーションの作成や編集ができるアプリケーション「Prezi Desktop」を利用することが可能になり、オンラインストレージの容量も2Gバイトに増量されます。
表1は、Preziのライセンス体系をまとめたものです。実はこの一般向けのライセンスとは別に、アカデミックライセンスも用意されています。つまり、学生や教職員の方々であれば、機能はまったく同じでEnjoyライセンスまでが無料になり、Proライセンスを年間59米ドルで利用することが可能になります。アカデミックライセンス下で作成されたプレゼンテーションでは、プレゼンテーション開始時に「Editor licensed for educational use only」というメッセージとアカデミックな角帽が被せられたPreziのロゴが表示されます。