図2●セールスフォース・ドットコムの「Chatter」の利用例
図2●セールスフォース・ドットコムの「Chatter」の利用例
SaaSとして提供する「Salesforce CRM」から利用できる
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 セールスフォースのChatterの場合、利用者が主として活用する画面は、TwitterのようなUIを採用している(図2)。

 ChatterやSAPジャパンのStreamWork、日本オラクルのOracle Social CRMが消費者向けのソーシャルサービスと大きく異なるのは、業務アプリケーションとの連携を前提にしている点だ。

 ソーシャルサービス機能を提供するサービス上で、業務アプリケ ーションで管理している定量データを表示したり共有したりできる。もちろん消費者向けのソーシャルサービスと同様に、社員同士の会話や社外のWebサイトのニュースなども共有可能だ。

データ項目や文書もフォロー

 ChatterはSalesforce CRMと連携することで、人に加え、文書やSalesforce CRMのデータ項目をフォローできることが特徴だ。Salesforce CRMの利用者をフォローすることで、フォローした人の投稿が見られる。

 提案書のような文書をフォローした場合、文書が更新されると、フォローしている人の会話と同じように更新情報を表示する。データ項目も同様だ。Salesforce CRMで管理している商談をフォローした場合、「進捗」というデータ項目の値が「提案依頼を受け取る」から「提案中」に変わると、Chatter上で通知する。セールスフォースは、人の情報のみをフォローできる無償版も用意している。

 「消費者向けのサービスと同様に、利用者に対してプッシュ型で情報を提供することを目指した」とセールスフォースの榎隆司執行役員は話す。

 商談の場で顧客に同業他社への導入事例を要求された場合、Chatter上で知っている人を探す、といった使い方を想定している。Chatterを利用すれば導入事例を知っている人だけではなく、事例の資料や詳細なデータもその場で一覧できる。「会社に持ち帰っていた作業を、商談の場で終えられる」と榎執行役員は話す。