日本の通信事業者が底力を見せている。3月11日の東日本大震災で大きな被害を受けた通信インフラは、およそ1カ月半で急速に復旧しつつある。携帯電話は4月末から5月までに震災前とほぼ同じカバーエリアにまで戻る見通しだ。

 NTTドコモは5月までにFOMAの携帯電話ネットワークを復旧する(関連記事:「これまでに例が無い規模の被害」、NTTドコモが震災による被害と復旧状況を説明)。山間部や損壊した道路・トンネル以外は4月下旬にも復旧できるという。KDDIは4月末にはau携帯電話を、福島第一、第二原発周辺を除き、震災前と同等のカバーエリアに復旧する計画だ(関連記事:「3つの基幹網のうち2つが切断」、KDDIが東日本大震災の被害と復旧状況を説明)。

 ケーブルなしで通信する携帯電話だが、電波を使うのは基本的に端末と基地局の間だけである。基地局と基地局の間は光ファイバーや伝送設備でつながっている。携帯電話インフラは基地局、光ファイバー、電源、伝送設備がすべて健全でないと動作しない。こうした設備は携帯電話サービスの生命線なので、念入りな災害対策が施されていた。

 しかし、東日本大震災では多くの携帯電話設備が被害を受けた。最も多いのは停電で動かなくなってしまった基地局だ。基地局には非常用の蓄電池があるが、最大3時間程度しか持たない。長時間にわたる停電で蓄電池が尽き、基地局が動かなくなっていった。

 このほか、地震で光ファイバーが切れたり、基地局や伝送装置そのものが地震や津波で破壊されたりした。NTTドコモやKDDIが提供した写真を以下に掲載する。未曽有の大震災の前では、災害対策もろとも通信インフラが破壊されてしまった。

写真1●宮城県松島野蒜の基地局設備(NTTドコモ提供)
写真1●宮城県松島野蒜の基地局設備(NTTドコモ提供)
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写真2●岩手県野田村の局舎に設置していた伝送装置(NTTドコモ提供)
写真2●岩手県野田村の局舎に設置していた伝送装置(NTTドコモ提供)
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写真3●au釜石両国基地局(KDDI提供)
写真3●au釜石両国基地局(KDDI提供)
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写真4●au山田織笠基地局(KDDI提供)
写真4●au山田織笠基地局(KDDI提供)
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