まずは最も身近なExcel活用法であるマクロとVBA(Visual Basic for Applications)を学習します。Excelを操作したことがある人なら簡単に試せるのがVBAの良いところです。プログラミング経験がない人も、ぜひ一歩進んだExcel活用法に踏み出しましょう。

 マイクロソフトの表計算アプリケーションであるExcelは、個人利用はもちろんのこと、企業においても日常的に広く利用されていると思います。とりわけ業務でよく使われているExcel活用法が、マクロの利用ではないでしょうか。マクロは、一連の操作手順をプログラムとして記録することで、処理を自動化する機能です*1。いったん操作手順を記録しておけば、同じ処理を簡単に呼び出して、何度でも自動実行することができます。

 Excelでは、記録した操作作業の一つひとつを、VBA(Visual Basic for Applications)というプログラミング言語の命令で記述しています。操作手順を記録するだけでなく、ユーザーがVBAを使ってプログラムを書けば、手作業では実現できないような処理を実装したり、自動化したりもできます。

 このように、VBAプログラミングを覚えればExcel活用の幅が大いに広がります。まずは、マクロおよびVBAプログラミングの基礎から学んでいきましょう。

まずは、マクロを記録しよう

 それでは、VBAプログラミングの基礎から説明していきます。ここでは最新版のExcel 2010をベースに説明していきます。Excel 2007でもほぼ同様に操作できますが、主な違いについてはその都度記述します。

図1●マクロの記録ボタンを押そう
図1●マクロの記録ボタンを押そう

 最初に、簡単なマクロを組んで、どのようなVBAプログラムが記述されるのかを見ていきましょう。Excelを起動して、画面下のステータスバーからマクロの「記録ボタン」をクリックします(図1*2

 すると「マクロの記録」ダイアログが開くので、マクロ名の欄は「Macro1」のままでOKボタンをクリックします(図2)。これでマクロの記録が始まります。ここでは、A1セルに日経ソフトウエアという文字列を入力して、入力が終わったらフォントの色を赤に変更して、再びステータスバーの記録終了ボタンを押しましょう(図3)。これでマクロが記録できました。

図2●マクロの記録ダイアログの画面
図2●マクロの記録ダイアログの画面
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図3●A1セルに「日経ソフトウエア」と入力して文字色を赤に変更してマクロの記録を終了する
図3●A1セルに「日経ソフトウエア」と入力して文字色を赤に変更してマクロの記録を終了する
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図4●メニューから「表示」→「マクロ」を選択する
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 早速、マクロを実行してみましょう。下方にあるシートのタブからSheet2を選択して、上方のメニューから「表示」を選びます。すると、図4のように右側に「マクロ」というアイコンが出現するので、マクロ名が「Macro1」であることを確認してOKボタンを押します。すると、先ほどのSheet1で記述した赤い文字列が、A1セル上に入力されるはずです。先ほどの処理を自動化できたということですね。

図5●Excel マクロ有効ブックを選択して保存しよう
図5●Excel マクロ有効ブックを選択して保存しよう
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 マクロが正しく動いていることを確認できたらファイルを保存しましょう。「ファイル」→「名前を付けて保存」を選択します。保存するときは、ファイルの種類の欄を「Excel マクロ有効ブック(*.xlsm)」にしてください。ここではファイル名を「VBAMacro1.xlsm」にして保存しました(図5)。