スマートフォンに広がるFeliCaとNFC(近距離無線通信)。両者は競合関係として比較されることが多いが、端的に言うと両者は包含関係にある。後発規格のNFCが、実装で先行していたFeliCaを含むという関係である(図1)。
FeliCaを開発したソニーは、MIFAREを開発したフィリップス、およびノキアと共に、近距離通信の推進団体「NFCフォーラム」を2004年に設立。既存のISO 14443 Type A(MIFAREやTASPO)、同B(住基カードなど)、FeliCaといった規格をすべて網羅するように定めたのだ(写真1)。
FeliCaとNFCによって実現されるサービス(通信モード)もほぼ同じ。通信相手のICカードの情報を読み込む/書き換える「リーダー/ライター」、NFCデバイス同士で情報をやりとりする「P2P(ピア・ツー・ピア)」、NFCデバイスがICカードとして振る舞う「カードエミュレーション」の3種類である。
カード情報を収容する端末の形状としては、プラスチックカードのほか、機器への組み込みやポスターなどの紙媒体への貼付を想定した小型タグも用意されている。